成田空港拡張計画で見えた、JR東と京成の温度差 効率化で「発着回数を年間50万回に拡大」が目標

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そのため、空港アクセス線で運行本数を増やすためには、それぞれの路線の複線化が必要となるわけだ。

新駅と新ターミナルビルの予定地
(図:『鉄道路線に翻弄される地域社会 - 「あの計画」はどうなったのか?』より)

JR東日本と京成電鉄の温度差

空港アクセス線の複線化を考えた場合、この路線の周辺には田畑やゴルフ場が広がり、住居も少ないため、都心部を走る路線とは異なり、用地確保のハードルは低い。

しかし、路線距離は約10kmに及び、その事業費はかなり大きなものとなり、その費用捻出が大きな問題となる。

成田市は国家戦略特区に指定されており、成田空港のアクセス強化は国家プロジェクトとしての意義もあり、国からの補助金が得やすい状況にある。

しかし、それでも成田空港高速鉄道の主要株主であり、列車の運行会社でもある京成電鉄とJR東日本、運行本数増加を要望する成田国際空港株式会社には、それなりの負担が求められるだろう。

そこで問題となるのは、京成電鉄とJR東日本では成田空港アクセス線の重要性が異なる点である。

例えば、日中の運行本数を比較すると、JR東日本の成田エクスプレスは1時間に1〜2本、快速も同じく1時間に1〜2本である一方、京成電鉄はスカイライナーが1時間に3本、アクセス特急が1本から2本、本線系統の快速が1時間に3本運行と、その運行本数には大きな違いがある。

駅の規模を見ても、JR東日本の空港第2ビル駅は1面1線であり、終点の成田空港駅も島式ホームの1面2線と比較的小規模である。

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