和田秀樹「60歳からこそ上機嫌が何よりも重要」 欠乏感や不足感を抱いているとき気持ちはすさむ

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とにかく、どんな小さなことでも、めいっぱい自分を褒めて労い、励ますことです。アドラー心理学でも「小さな成功を喜べる人は、そこから勇気づけを得てさらなる前進をしようとする人」と言われています。

自分を褒められる人は、ずっと成長し続けられる

第三者から見たらどれほど些細なことだったとしても、自分の素敵なところや頑張ったところを見つけて褒められる人は、ずっと成長し続けられる人なのです。

自分を褒めたり、鼓舞したりするということはまた、自分にポジティブな暗示をかけるということにもなります。

アメリカの心理学者であるバートラム・フォアが行った心理実験に、それがよく表れています。

彼は学生たちに対して行った心理検査に基づいて性格を分析し、一人ひとりに「あなたはこんな人」というレポートを渡しました。その結果、およそ8割の学生が、「自分の性格をよく分析している」と感じたそうです。

しかし、実はこのレポートは、既存の文章をつなぎ合わせてつくったデタラメなもので、しかも全員に同じ内容を渡していました。それにもかかわらず、大多数の学生が、自分によく当てはまっているという感想を持ったのです。

もちろん有名な心理学者のレポートだから信用できる、という思いも大いにあったことでしょう。しかしながらそれ以上に、レポートに書いてある内容がポジティブなものだったことも大きな要因だったようです。人は自分への肯定的な言葉は、素直に受け入れる傾向が強いということです。

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