銀シャリ橋本、40過ぎて急にきた「働き方」への焦り 人生を人質にしすぎた結果、厚みのない人間に
結婚が迫る中で思った「ちょっと待てよ」
――「価値観アップデート」の必要に迫られた背景は?
芸能界、お笑い界という特殊な世界で、若いころはこの仕事で食べられるように一生懸命頑張りました。みなさんそれぞれ定義は違うと思うんですけど、とにかく「売れる」こと、世間様に認知されてちょっとでも地位と稼ぎを上げることを、漠然と目指してました。
それで、気が付いたら40歳を超えていて。結婚も迫っていた中で、家族ができたり、人と暮らしたりを考えると、「ちょっと待てよ」と。
毎日、ほぼ休みなくガーっと働いてたんですけど、あまりにも自分の人生を人質にしすぎた、捧げすぎたんちゃうかと。「この働き方、合ってんのか?」と迷いが出てきました。
考えてみると、「銀シャリ・橋本」としてはちゃんと積み上げてきた感覚があるんですけど、素の「橋本 直」としての厚みが何もない。芸人としての幸せと個人としての幸せって、両立してると思ってたけど、どうやらほかの概念もありそうだと気づきました。
もうちょっと早く結婚された方とかなら、もしかしたら30代でアップデートのタイミングが来るのかもしれません。でも僕の場合は幸か不幸か、そこまで走り続けてしまったんですね。
で、頭がごちゃごちゃしてしまったんで、一回整理しようということで、新しいノートとペンを持って一人で「価値観アップデート」のための旅行に出かけてみることにしました。
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