とはいうものの、在庫適正化や納期短縮のためのサプライチェーンマネジメント(SCM)システム、販売の新チャネルとしてのECのシステムといった「ビジネス側のリクエスト」から始まるデジタル投資の必要性については、一般人でも理解しやすいと思います。
悩ましいのは、その企業の業務内容に直接かかわる「基幹系システムの再構築や刷新」です。基幹系システムとは財務会計システムをはじめとした、販売管理、発注管理、在庫管理などのシステムです。
これらの再構築や刷新にあたっては、その必要性はもちろんのこと、なによりも投資額が巨額になるため、投資可否の判断に悩むのも当然だと思います。
「基幹系システムの再構築」で下手を打たないために
今回は「基幹系システムの再構築への投資」において「下手を打たない」ための方法を3つ述べてみます。
「巨額の投資をしてまで基幹系システムの再構築が必要なのか?」「これまでも問題なく動いているのならば、それでいいじゃないか?」という疑問が「デジタル一般人」から出るのは、当然といえば当然です。
基幹系システム再構築の予算申請での「必要性や理由」は、どの企業でも似たようなものです。
「業務効率化やデータ統合を進めたく、そのために基幹系システムを刷新したい」「業務効率化によるコストの削減を狙う『守りのDX』を推進するためには再構築が必要」といったものです。
以前の記事(100億かけても「DXの効果が全然出ない」3つの訳)で述べたように、これらの業務効率化やデータ統合において、ボトムラインへの効果を出すためには、同時に新事業の進出をしないかぎり、かなり難しいのが実情です。
業務効率化によって、確実にボトムラインに効果が期待できるのは、BPO事業者くらいのもので、それ以外は詭弁と言われてもしかたない状況です(少ないですがもちろん例外企業はありますが)。
こんなことを経営と議論していますと、「それでは、今のものをそのまま使い続けるのもありですね」ということになってきますが、これが第一の方法です。
特に問題がなければ、そのままでいいのです。
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