「言われたことだけやる」部下を変える4つの質問 軸をずらした質問を通して思考力を鍛える
そうした効果的な質問をするために重要なことは、質問の軸を意識することです。質問の軸を意識すると、質問のレパートリーが増え、効果的な質問ができるようになります。
質問の軸には、主に「①時間、②人、③状況、④場所」という4つがあります。
例をあげて説明していきましょう。
今から、あなたが相手(クライアント)にコーチングをするとしましょう。
コーチングのセッションでは、最初にそのセッションのテーマとゴールを決め、そのゴールに向かってコーチングを行います。
今回のテーマは「仕事がうまくいっていない」ことについてで、ゴールは「仕事がうまくいくための方法をいくつか考えたい」だとします。
ゴールを達成するために、コーチが数々の質問をしますが、そのときに次の4つの軸を考えて質問をすると、相手にしっかり考えさせて、かつ新しい選択肢を提示できる良質な質問ができます。
相手に考えさせる4つの質問
① 「時間」の軸をずらしてみる
1つ目は時間の軸です。現在、過去、未来を考えます。
時間の軸をずらすことで、現在の視点だけではなく、過去や未来へと思考を広げることができます。
過去は、たとえば昨年や入社してすぐのとき、未来はたとえば1年後、3年後、5年後など、今ではなく過去の自分がやってきたことを振り返ったり、未来の自分を想像したりして質問をします。
コーチングのテーマは「仕事がうまくいかない」ことでした。それに対して過去を振り返ると、「これまで、何かがうまくいかなかったとき、どのようにして解決しましたか?」「1年前はどのようなことで悩んでいましたか?」といった質問ができます。
そう質問されることで、相手は改めて過去の自分を振り返ってみることができるのです。
「あのときはわからないことが多く、多くの人に助けてもらいながら、なんとかやり遂げることができた。おかげでほかの部署にも多くの知り合いができた。あのときに知り合った鈴木さんに、今回の仕事も手伝ってもらうことができるかもしれない」などと思うかもしれません。
あるいは、「1年前は入社したばかりで、できる仕事もほとんどなくて、不安だらけだった。先輩に教えてもらいながら仕事を覚えて、今は1人で仕事を任されるまでになった。この1年で成長したから、新しい仕事もなんとか自分1人でできるだろう」と思うかもしれません。
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