「言われたことだけやる」部下を変える4つの質問 軸をずらした質問を通して思考力を鍛える

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このケースで状況の軸をずらすと、たとえばこんな質問ができます。

「もし締め切りが3ヶ月後ではなく半年後になったらどうですか?」「今はすべての仕事をあなた1人でやろうとしているけれど、チームでやるとしたら、誰と一緒にやりますか?」「その人たちには、どんな仕事を割り振りますか?」 

あべき光司
(図:本書より引用)

そうすると、相手は「そもそも自分1人でやろうとしていたから大変なんだ」とか、「実はチームでやっているはずなのに、いつのまにか自分で全部抱えこんでしまっていた」と、自分で問題に気づくことがあります。

「何かあったら言ってくれ、と上司が言っていたのに、自分がなかなか言い出せなかったんだな」と、問題の本質が「仕事ができていない」ことではなく、「上司に相談がしにくいこと」だと気づくこともあります。

このように状況の軸を変えることでも、相手の思考の幅を広げることができるのです。

④ 「場所」の軸をずらしてみる

4つ目は場所の軸です。

場所の軸をずらした質問の例は「仕事を事務所でやるのではなく、近くの喫茶店でやったら何が変わりそうですか?」といった質問です。

もしも、相手が「喫茶店のほうが仕事がはかどる」と言ったならば、「事務所と喫茶店では何が変わるんですか?」などとさらに質問します。

あべき光司
(図:本書より引用)

相手は、質問されることによって「美味しいコーヒーが飲めるといいよな」とか、「外に出るだけでリフレッシュできる」とか、「場所が変わると気分転換ができていい」など、いろいろと気づきが得られるでしょう。

4つの軸をずらすことで無限に質問をつくれる

『部下を持ったら身につけたい! リーダーのためのコーチングがイチからわかる本』(すばる舎)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

今回は「仕事がうまくいっていない」ことがテーマでした。

そのテーマに対して、時間、人、状況、場所という軸をずらして質問することで、質問された相手は選択肢を広げることができました。

また、このような質問を投げかけられることで、相手の思考が深まり、新たな気づきが生まれます。

4つの軸をもとにして質問をつくっていくと、無限に質問をすることができます。

言われたことしかしない部下など、部下への質問に困ったら、ぜひ時間をずらす、人を変える、状況をずらす、場所をずらす、と考えながら、いい質問を投げかけてみてください。

あべき 光司 プロフェッショナルコーチ/税理士・EMP税理士法人代表

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あべき こうじ / Abeki Koji

1975年生まれ。大阪府高槻市出身。大阪外国語大学(現在の大阪大学外国語学部)卒業後、大手システム会社でデータベース設計、業務システム分析などを担当。その後、ITベンチャー企業を経て税理士に転身。2016年に税理士として独立。ITやコーチングのスキルを活用し、創業9年目でグループ全体で従業員160人、税理士業界トップクラス(上位0.5%)の総合事務所に成長させた。また、離職率が高い会計業界で7年連続で離職率0%を誇る。障がい者の就労支援施設や飲食業など多角的な経営展開とM&Aを活用した支店設置などが業界内外で注目を浴び、5年前より「オーナー士業®超実践講座」を開講。2016年来、毎日配信のメルマガは通算号数2000超。平均開封率17%程度のメルマガ業界にあって、異例の開封率40%超をコンスタントに叩き出している。コーチング業界での最大団体である国際コーチング連盟認定のプロフェッショナルコーチでもあり、コーチングセッションは通算2500時間超。著書に『オーナー士業になって、たちまち年商1億円を突破する方法』(すばる舎)がある。

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