誰でも「Webライター」になれる時代に生き残る術 人を惹きつける文章を書くために必要なこととは
一方で、そうした文献は、取材で得た情報をよりリアルに描写するための詳細としては参考になります。例えば、浮浪児たちは街娼の服装なんてさほど覚えていないし、違いもさほど認識していない。でもしっかり勉強すると街娼ならではのファッションがあったりするので、そういうのを描写の中にしっかり入れることで文章に奥行きが出せるわけです。
煽りタイトル問題、どう考える?
――今はWebメディアの記事のタイトルによって読まれるか読まれないか決まると言われています。
石井さんはノンフィクション本の執筆が中心だと思いますが、もしWeb記事のタイトルを付けるとしたらどんなふうに取り組まれますか?
難しいですね。Web記事のタイトルは本のタイトルと、付け方も戦略も違うと思うので正直わからないです。ただ、Web記事の場合だと読まれるためには単純にインパクトが重要になってきますよね。
そういう観点でタイトルを付けたとき、出版社やメディアにとってはPVが取れていいのかもしれないけども、長い目で見て書き手にとってマイナスになる可能性の方が多いと思うんですよね。
Web記事はずっと残るし、書き手の名前で検索するとその記事が出てきます。記事は名刺代わりにもなるので、人格や仕事姿勢まである程度決められてしまうわけです。
そうなったときに煽るようなめちゃくちゃなタイトルはすごく怖いと思います。地道に頑張っているのに、たった1~2本の記事で印象が悪くなるのは書き手にとってもったいないことです。
メディア側にとって目先のPVが必要な気持ちもわかりますけども、20年後30年後に書き手自身がどうなりたいかのビジョンを大切にしないといろんな形で自分の首を絞めますよね。
もちろん、編集部の意向があると思うので、その辺はどれだけいい人たちと付き合うかは考えなくてはいけません。そうじゃない人たちもたくさんいるわけで、そういう人たちと付き合うと会社のメリットのために書き手が利用されてしまいます。
僕自身は人にすごく恵まれたなと思うんですよ。20年後30年後40年後の自分たちが堂々と誇れるものってどうすればいいのかと考える編集者ばかりでした。
ライター自身が高い志を持っていれば、そういう編集者が寄ってくるようになります。お互いが高い志を持っていれば当然タイトルやテーマ、記事の切り口にしても、同じレベルで考えてお互いに高められるというのがいい関係性ですよね。何かそういう高い志というのが、切磋琢磨できる関係性が僕は重要だと思います。
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