さまざまな娯楽が普及し、テーマパーク以外に多くの選択肢がある現在、ディズニーとしては、たくさんの人々を入れるよりも、よりその場所で多くの消費をしてくれる人に対してマーケティングを行う必要がある。
この方向はオリエンタルランドも「量から質へ」という方向で認めているところで、現代では必然的な流れだともいえる。ビジネスの展開として正しいし、筆者もことさらこの方向を否定するつもりはない。
変わるディズニーに「寂しさ」を覚える理由
しかし、どこか一抹の「寂しさ」を覚えるのは、おそらく、この変容の中に、日本における「格差」が目に見える形で浮かび上がっているからだと思う。
実際、筆者の記事には、こんなコメントがいくつも寄せられた。
「夢の国とはいえ、オリエンタルランドも企業として利益を上げる事を考えるのは当然だし、富裕層をターゲットにする戦略は正しいと思う。ただ、子供の頃から行っていたディズニーランドの姿からは離れていってしまったな、と寂しい気持ちにはなる。(中略)今のスマホを活用する状況も便利なのだとは思うが、もし何も知らずに行ったらできることが制限されてしまう。事前に情報を集めないほうが悪い、ということになるのだろうが、誰でも楽しめた夢の国が変わっていくのはやはり寂しい気持ちが大きい」
「アプリのおかげで待ち時間が分かるという意見もあるけど、空いていてふらっと入れる穴場のレストランやアトラクションがなくなってしまった(運営としてはそのほうが利益出るんでしょうが)。ちょっと休みたくてレストランに行こうとすると『予約してますか?』と聞かれてしまう。(中略)効率よく回るためにスマホにかじりつくの必須。体力があって、アプリ使いこなせる人じゃないと楽しめない場所になった。以前よりお年寄りや子供連れが減った印象です。仕方ないのかもしれないけど、昔のディズニーを知っているとものすごく満足度は下がった」
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