「インドカレー1000軒超も開拓」彼の情熱の原動力 豊富な写真と共にお薦めインドカレー店も紹介

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八木さんとインドカレーの最初の出合いは、いわゆる「親父の手料理」だった。

「アラスカの研究所でオーロラの研究をしていた父親が、インド出身の同僚から教わったというインドカレーを家でよく作ってくれていたんです」

八木さんは高校2年生になると、ニコニコ動画で見つけたレシピ動画を見ながら初めて自分でチキンマサラ(粉状にしたさまざまなスパイス「マサラ」とトマト、ヨーグルトなどを使ったチキンカレー)を作った。

肉じゃががカレー味になると苦情も

もともと料理好きで、動画レシピを見ながらクレープや卵焼きなどを作っていたが、インドカレーを作ってみて、その魅力にすっかりハマってしまったという。

「特に惹かれたのは、香りです。カレーって準備しているときも、作っている最中も、ずっといい香りがして、嗅ぐとうっとりしてしまいます。お小遣いで少しずつスパイスを買いそろえて、コレクションするのも楽しかったですね。レシピを少しずつ変えながら毎週チキンマサラを作っていたので、『フライパンに匂いが移って、肉じゃがもカレー味になる』と家族から苦情がきたのを覚えています」

インドカレー 八木雄建
八木さんが自宅でインド料理を作る際の必需品。ずらりとスパイスが並ぶ(写真:八木さん提供)

大学3年になると、八木さんのインドカレー店開拓が加速する。アルバイト先の金融会社の上司がインドカレーのマニアで、南インド料理を出す店に連れていってくれたのがきっかけだった。その店こそ、2023年4月に惜しまれつつ閉店した南インド料理の名店、八重洲の「ダバインディア」である。

「衝撃を受けましたね。それまで、インドカレーは“もったり”としていてナンと食べるものだと思っていましたが、ダバインディアで食べた南インドのカレーは“サラサラ”していて米と合う。インドカレーのイメージが覆されて、店の開拓に拍車がかかりました」

以来、八木さんは多いときには毎日、月に30軒を開拓するようになった。最近ではペースが落ちたものの、いまも平均して週4回はインドカレーを食べている。ただし、週2回は家で自作し、残る週2回を外食で楽しんでいるそうだ。

インドカレー 八木雄建
スリマンガラム(祖師ヶ谷大蔵)名物、おかわり自由のミールス(南インドの定食)。わんこそばのように次々と追加で盛られるので、お腹を空かせて行くべき(写真:八木さん提供)

「店のインドカレーはバターやギー(精製バター)を使ってリッチな味に仕上げてありますし、カレーに欠かせないナンやライスは炭水化物です。本当は毎日でも外食したいのですが、そうすると体重が増えてしまうので、自炊も取り入れてカレーを楽しんでいます」

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