「困難だらけ」のゴルフがパラアスリートに向く訳 障害者の大会で知る「楽しさだけじゃないもの」

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「山本さん(前出)から『明日ゴルフ行くけど』みたいな感じになって、いきなりホテルの目の前のショートコースに行ったのが初めて。競技に出始めたのは北京が終わってから」

ゴルフのよさについて聞くと、「老若男女問わず、違う障害者、健常者、誰とプレーしても楽しいこと。競技レベルはどの年代でも高く、自分もその年になってもまだまだ成長できることを、先輩方が見せてくれることも素晴らしい」と言う。

また、ゴルフは1回のラウンドを4人で回ることが多い。同伴競技者からいろいろな刺激をもらえるのも魅力のようだ。

「足はもう一生戻らない。どうにもできないことって絶対あり、そこに落胆するとか目を向けるってことは一切しない。ゴルフもパットを外したらどうしようもないので、次のことを考える。ゴルフはいいと思いますよ、困難がいっぱい来るから(笑)」

小須田選手は、冬期はスノーボードに集中し、次の2026年イタリアのミラノ・コルティナダンペッツォで開催される冬季パラリンピックを目指している。一方、オフシーズンにこの日本障害者オープンゴルフ選手権を目標に取り組むそうだ。

1年の半分がスノボ、半分がゴルフ

同35位タイの大岩根正隆選手(44歳)は株式会社ベリサーブ(ソフトウェア事業)所属。2001年頃に知人の勧めでスノーボードを始め、2008年に一度引退したが、2018年に全国障害者スノーボード選手権大会に出場。10年のブランクがあったが優勝した。

グランプリの部35位タイの大岩根正隆選手(写真:筆者撮影)

同年、強化指定選手に選出され、スノーボードへ復帰。北京パラリンピック男子スノーボードクロスで8位入賞、バンクドスラロームにも出場している。

高校2年生の時に交通事故で右手を失った。ゴルフを始めたのは「妻がゴルフにハマっていて練習にもよく行っていたので、一緒の趣味を持とうと始めた」という。同時期に地元の同級生からもゴルフに誘われ、当時働いてた会社の上司からクラブを譲り受けた。

「1人ひとり障害のある体をフルに生かしてプレーできるところが、素晴らしい。みんなで楽しく、リスペクトでき、つながりが年齢に関係なくできるスポーツだと思います」

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