「困難だらけ」のゴルフがパラアスリートに向く訳 障害者の大会で知る「楽しさだけじゃないもの」
グランプリの部8位の山本篤選手(42歳)は、新日本住設株式会社所属。2008年の北京から2021年の東京までパラリンピック4大会連続で陸上競技に出場。走り幅跳びでは北京とリオで銀メダル、4×100mリレーではリオで銅メダルを獲得している。
高校2年の時に交通事故で左足を失い、高校卒業後に進学した義肢装具士になるための専門学校で競技用義足に出合い、陸上を始める。本格的に競技を始めようと、2004年に大阪体育大学体育学部に入学し、陸上部に所属した。
山本選手のゴルフとの出会いは、「大学でゴルフの授業があり、おもしろいと思った」とのこと。「陸上部の恩師がゴルフ好きで、20年近くゴルフをしている。競技に出ようと考え始めたのはコロナがきっかけ」と言う。
「障害者にとって、リハビリとか社会活動の参加には、ゴルフが一番だと思う。例えば、陸上では専用の義足や車いすが必要だが、ゴルフは普段の義足でプレーできる。また、いくつになっても上手になる余地があることで、競技を長く続けられる」とも話す。
陸上とゴルフには共通点があるようだ。「走り幅跳びは力みすぎたらダメ。ゴルフも力んだら全然よいことがありません」と言って笑う。
パラアスリートの先駆者的存在である山本選手は、本大会でも注目されていた。大会運営をよりよくしようと積極的に意見を述べているのが、印象的だった。
アルペンスキー歴20年以上の選手も
同26位の三澤拓選手(37歳)はSMBC日興証券所属で、2006年の冬季パラリンピック・トリノ大会から5大会連続で出場、トリノでスキー男子回転5位、2016年のW杯では2位に入賞している。国内外で20年以上アルペンスキー選手として活躍しているベテランだ。
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