「困難だらけ」のゴルフがパラアスリートに向く訳 障害者の大会で知る「楽しさだけじゃないもの」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

三澤選手は6歳の時に交通事故に遭い、左脚の太ももから下を切断。8歳からスキーを始めた。

ゴルフを始めたきっかけを聞くと、「コロナの時に、夏のニュージーランド遠征ができなくなった。奥さんが勤め先のゴルフコンペに出るので、一緒に打ちっぱなし(ゴルフ練習場)にいったのが初めてです」。それでゴルフにはまったという。

2022年の北京でリタイアを決意し、北京後にすぐ前出の吉田さんとゴルフをする機会に恵まれた。三澤選手は、吉田さんのドライバーショットを見てしびれたという。「ずっとパラスポーツ界にいて、ほかの種目を見ているが、こんなに驚かされることはなかった」。

ゴルフについては、「スキーは急斜面を滑りましょうといっても、レベルが違うので一緒に滑れない。だけれど、ゴルフ競技はいろいろな障害の人も、健常者も一緒に回れる。まさに多様性があると思う」と感じている。

自身が競技者としてやってきたスキーがゴルフにも生きているようだ。

「初心者の時からグリーンの傾斜やパットのラインを読むのが得意で、長い距離のパットがよく入っていた。スキーは斜面の感覚が必要で、スキーをやってきたことが役立っていると思います」

競技人口の多さも、三澤選手には魅力的に映っている。

「ほかのパラ種目の国内大会では参加人数が少なく、スキーでは10人前後だが、今日の大会は60人以上参加している。幅広い年齢の選手が参加し、70歳を超えた選手もうまいので、負けられないです」

障害者や健常者を問わないスポーツ

同7位の小須田潤太選手(34歳)はオープンハウス所属で、2021年の東京パラリンピック男子走り幅跳びで7位入賞、2022年の北京冬季パラリンピック男子スノーボードクロスで7位に入賞している。

グランプリの部7位の小須田潤太選手(写真:筆者撮影)

21歳の時に、交通事故で右足を切断している。ゴルフを始めたきっかけは、2019年陸上の春合宿で沖縄に行った時だった。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事