SAPIXが考える子どもの「算数スランプ」克服法 猛特訓は逆効果、「算数」と「受験算数」の違いは
しかし残念ながら、そうした取り組みをした結果、マイナスの影響がでることが多くあります。
それは算数が「メンタルの教科」だからです。
算数は、複雑な条件を整理したり、どのアプローチで解いていくと効果的かを考えたりすることが求められる教科です。
ほかに気がかりなことがあると、その事柄に気持ちが持っていかれて、解き進めることが難しくなってしまいます。
また、苦手だからといって猛特訓をすることで問題を見るのも嫌になってしまったり、難しい問題がまったく解けずに自信を失ってしまったりすると、「解けない」「わからない」という思いが増大していきます。
そして、問題に向かう前から身構えてしまい、本来理解できていることも解けなくなってしまうケースすらあるのです。
がんばればできる問題を解いて自信をつける
重要なのは、基本に立ち戻り、自分で「解ける」という経験を積み重ねること。まずは少しがんばれば解けるレベルの問題にていねいに向き合って、太刀打ちできる範囲をちょっとずつ増やしていきましょう。
こうしたアプローチは、着実に問題を解く力をつけていく効果とともに、前向きな気持ちを取り戻す意味も持っています。
中学入試を目指す子が6年生の後半にスランプに陥ることがあります。
それは、入試直前で不安になって、「結果をださなければ!」と自分を追い込んでしまうから。あせりに脳をジャックされている状態です。
追い込まれている状態で難易度の高い問題を解こうとすると、「もうだめだ」と追い詰められたような気持ちになり、一層悪循環に入っていきます。
このようなときに、解く問題の量を増やす対策は、悪循環をさらに加速させるだけです。あせったり自信を喪失したりしている状態ですから、普段よりも解くことが雑になっています。よいパフォーマンスを発揮することができず、さらに間違いが増えて落ち込んでしまいます。
同様に、疲れているときや眠いときなども算数を解く力はガクンと落ちます。
メンタルが不安定なときに大切なのは、問題を解く量を増やして何とかしようと思わないこと。まずは心身のコンディションを整えて、がんばればできるところまで戻り、少しずつ解ける自信を取り戻していきましょう。
●算数は、まずは自信をつけることが大切
●メンタルが不安定なときは、問題量を増やすより、がんばれば解けるレベルの問題を解く
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