西洋薬の鎮咳薬(ちんがいやく:咳止め)は、咳の症状が特にひどいときや、咳がひどく眠れない場合には就寝前に服用します。
脳の咳中枢に作用する成分は強い作用があるため、大量に服用すると危険です。濫用を防ぐために、購入本数が制限されている咳止めシロップもあるくらいです。購入時は薬剤師などに相談のうえ、適量を守って服用しましょう。
また、飲み合わせに注意を要するものもあります。
緑内障の目薬などにも併用禁忌のものがありますので、注意が必要です。ドリンク剤やサプリメントの併用にも注意しなければなりません。病院から処方されている薬がある場合、サプリメントも含め、必ず薬剤師などの専門家に相談してください。
咳止め効果のある漢方薬3種
標準的な西洋医学の治療でうまくいかない場合、漢方薬が有効なことが多くあります。
漢方薬のメリットは、まず使用することができない、いわゆる禁忌が少ないため、子どもから高齢者まで使用できるものが多いです。また、自分の体質に合わせて薬を選択できるため、場合によってはほかの症状もよくなることがあります。飲み合わせに注意するものも少ないので、併用しやすいです(麻黄が含まれるもの以外)。
一方、デメリットとしては、体質に合わなければ効果が出にくいことが挙げられます。そのため、薬の選択には“漢方的な視点”が必要とされます。
以下に、咳に対応している漢方薬をご紹介します。市販されているものもありますが、購入時には漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
■咳の代表処方
筆者がすすめるのは、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」の3種類です。
空咳には「麦門冬湯」がよく、喉の詰まり感や違和感を伴う咳には「半夏厚朴湯」がおすすめです。この2つには麻黄という生薬が入っていません。一方、「麻杏甘石湯」はかなり激しい咳に使われますが、麻黄が配合されているので、購入時に薬剤師に相談してください。
漢方薬は食前(食事の1時間~30分ぐらい前)や食間(食後2時間経ってから)に飲むなど、飲み方に特徴があります。有効成分をしっかり効かせるためにも、正しく服用するようにしましょう。飲み方については、購入時に薬剤師に聞くといいでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら