「人づきあい」長つづきのコツは"放牧スタイル" 「過去の関係性」に執着してもうまくいかない
たとえば、お医者さんが突然、あなたの家を尋ねてきたらどう思いますか? かかりつけのお医者さんでも、急にインターホンを鳴らして、「お加減いかがですか?」と言ってきたとしたら、怖いに決まってますよね。もしも食事中やお風呂の途中だったら、とんでもない迷惑だと感じるはず。
お医者さんは、病院にやってきた人に対して、診療して治療を施します。たとえ「みんなを救いたい!」と熱い志を持っていたとしても、訪問販売で押し売りすることはありません。でも、私の「みんなやったほうがいい!」という良かれと思ってやった行動は、まさにそれでした。ただの「おせっかいおばさん」の押し付けだったのです。
それがお互いのストレスの元凶なんだ、とようやくわかったのは、体の声を聴くことの重要性に改めて気がついた頃です。
「前と同じようにやっているのに、体が変わらない。もっとやらなきゃいけないの?」と行き詰まり、ハッとしました。「あぁ、体に対しても周りの人に対しても、相手の要求を見ていなかったな」と。
近しい関係でこそ起こりがちな「おせっかい」
私の大失態のように、勝手に相手の気持ちを想像して気を回し、「気遣い」しているつもりになるのは、よくあることではないでしょうか?
「あなたのためを思ってやったのよ」というやつですね。とくに、親子やパートナーなど、近しい関係でこそ起こりがちなものです。
一見、優しい「気遣い」に思えますが、それは「おせっかいおばさん」でしかありません。相手は望んでいないかもしれないのに、無遠慮に相手の家まで突撃して、治療の押し売りをしているのと一緒なんです。
それじゃあ相手に怖がられるし、せっかく良いことをしていても、ありがた迷惑になりかねません。大切なのは、相手の「行動」に合わせることです。
相手が行動したら、それに応える。
相手がなにか言ったら、耳を傾ける。
相手が助けを求めたら、手を差し伸べる。
「これを望んでいるかも」「こう思っているのかも」というのは、自分の想像でしかありません。そうではなくて、相手が実際に発したこと(行動・アクション)に対して、適切なリアクションを返しましょう。まず体の声を「聴く」ことからセルフケアがはじまるように。
それが、本当の「気遣い」であり、人間関係においていちばん大切なことだと考えています。
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