「ドラクエIII」最新リメイク、世代と国境の壁に挑む 「おじさんのRPG」を超えられるか

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そして「#ドラクエはいいぞ」というタイトルも、少し前に流行ったネットミームを題材にしており、まさしく時代の波に乗り遅れたおじさんらしいといえる。

このWEBドラマの意図は明白だ。昔遊んだ人が懐かしむのはもちろん、『ドラゴンクエスト』シリーズを若い世代にも継承して、推してほしいと考えているのだろう。

ドラゴンクエストIII
町中やダンジョンで「はぐれモンスター」に出会うことも。はぐれモンスターを集めるとまもの使いが強くなるほか、「バトルロード」という施設で戦わせることもできる(画像:任天堂公式サイトより)

今回のリメイクではジェンダーへの配慮も

『ドラゴンクエスト』シリーズはナンバリング作品が発売される間隔が長いせいか、子供の認知度が下がっているようだ。もちろんスピンオフ作品はいろいろと存在するのだが、それでも看板タイトルが何年も間を開けると、若い層からは認知度が下がる。

現在発売されているシリーズ最新作は『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』であり、これはすでに7年が経過している。小学校に入学した子供が中学2年生になるほど時間が経過しているわけで、子供が別の作品に目を向けるのも当然だろう。

では、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は若い世代にうまくアピールできるだろうか。確かにゲームシステムは新しくなっているが、レトロなRPG要素も多分に含まれており、容易にはいかなさそうである。

また、海外向けの展開も重要だ。『ドラゴンクエスト』シリーズは国内の人気が高く、海外ではそこまで知名度が高くない。ゆえに今回のリメイクで改めて世界にアピールする意図もあるのだろう。

今回のリメイクでは、キャラクターの性別表記を「ルックスA・B」にするなどジェンダーへの配慮もある。ただ、男性・女性専用装備は相変わらず存在しており、シリーズの生みの親でゲームデザイナーの堀井雄二氏はジェンダーへの配慮に苦言を呈していたりと、中途半端な対応が目立つ。

はたして、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は「おじさんのRPG」を超え、若い世代や海外にうまく受け入れられるだろうか。シリーズの今後を決める重要な転換点となるだろう。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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