「ドラクエIII」最新リメイク、世代と国境の壁に挑む 「おじさんのRPG」を超えられるか
また、「まもの使い」という新たな職業、立ちはだかるボス、主人公の父親についてのストーリーも追加されている。フィールド上に装備・道具が落ちていたり、仲間にできるモンスターがいるなど、探索要素も増え現代的なゲームに変化したといえよう。
しかし、遊びやすくなっても保守的なのが『ドラゴンクエスト』シリーズなのである。
確かに新しくなったが、そもそも『ドラクエ』は保守的なゲーム
『ドラゴンクエスト』シリーズは、日本でRPG(厳密にはコンピュータRPG)を大きく流行させた先駆者といえるのだが、現在はかなり保守的な立場にある。
いまの大作ゲームは3Dグラフィックが主流だが、2017年に発売された『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』では、わざわざ3Dグラフィックと古き良きドット絵の両方を用意していた。これは同じゲームをふたつ作るようなものであり、異例の対応だ。だが、そのくらいの保守的な姿勢が評価されるゲームなのである。
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』でもその特性は引き継がれている。たとえば、村の入り口にいる人間はたいてい「ここは◯◯の村です」と言うのだが、これは昔のRPGだから必要だったキャラクターであり、現代には不要である。
なぜ村の名前を教える人物がいたのかといえば、RPGに不慣れな人が遊ぶとき、その村がどういうものかきちんと伝える必要があったからだ。また、画面上に村の名称が表示されればそれも不必要なのだが、昔の作品にはそれもなかったのである。
今回のリメイク版ではそもそも、村や街に入るときにはそこの名前が画面上に表示される。何よりRPGは日本を代表するひとつのゲームジャンルであり、問題はほぼ解決したのである。しかし、今回のリメイクでも「ここは◯◯の村です」と言う人物は減らないし、リメイクであることを差し引いても説明的なセリフを喋るキャラクターが非常に多い(これが「ドラクエらしさ」なのかもしれない)。
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