「ドラクエIII」最新リメイク、世代と国境の壁に挑む 「おじさんのRPG」を超えられるか

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ドラゴンクエストIII
新しいゲームではあるのだが、テキスト表示が多くそれをいちいち確認しなければならないのはレトロゲームらしい。ゲーム機の性能が低かったころのなごりといえる(画像:任天堂公式サイトより)

また、ゲームバランスはかなり変化しているが、ザコ敵を倒してレベル上げする行為が必要なところはあまり変わらないし、何よりUI(ユーザーインターフェース)が古いのも変わらない。

何か買い物をするときは何度も決定ボタンを押さなければならないし、たくさんあるアイテムのアイコンは同じものが多く混同を防いでおらず、おまけに「まふうじのつえ」と「まどうしのつえ」が並んでいてどれがどれだかわかりづらい。

まとめてアイテムを売ることもできず、やられた仲間を教会で蘇らせるときもひとりずつ選択せねばならないなど、グラフィック表現が弱く不親切だったころのゲームを引き継いでいるのが明白だ。確かに新しくなったのは事実なのだが、レトロで保守的なゲームであることも間違いない。

『ドラクエ』で若い世代・海外の層を狙う

ドラゴンクエストIII
特技が追加され、過去作では通常攻撃するしかなかった戦士や武道家の戦略も変化している(画像:任天堂公式サイトより)

このようにHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は新しくも保守的なのだが、そもそも何を目指しているのかといえば「おじさんのRPG」を脱することだと考えられる。

スクウェア・エニックスは、日本向けの宣伝としてWEBドラマ「#ドラクエはいいぞ」を公開している。これを見ると、どういった層にアピールしたいのかが明白だ。

内容をかいつまんで書くと、「なんでもドラクエにたとえる父親の背中に子供が憧れ、その好きなゲーム(『ドラクエ3』)も継承する」といった内容である。同じ親としては目をそらしたくなる内容で、子供に尊敬されたいという気持ちはともかく、自分の好きなものを子供にも肯定してほしいというストレートな欲望を描く内容になっている。

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