ワタミ介護売却へ、その経営危機の深刻度 赤字で自己資本は急減、金融支援を交渉中

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とはいえ、ワタミがこの状況を、ただ指をくわえて見ていたわけではない。桑原豊前社長は炉端焼きや中華料理といった専門業態を次々と開発。「2018年3月期末、全体の店舗数で和民業態を6割、残り4割を専門業態にする」とまで表明していた。

だが、和民の落ち込みはあまりに厳しく、不採算店の閉鎖に追われる。結果として、前期末に占める和民以外の専門業態は、全体の13%にとどまった。こうした状況下、今年3月に就任した清水邦晃社長は、「専門店への取り組みは継続するものの、最優先すべきは和民の巻き返しにほかならない」と宣言。桑原前社長の掲げた目標値を白紙撤回するに至った。

言葉どおり、清水社長は4月から和民のメニュー数を絞り込み、10年ぶりの値下げに踏み切った。しかし、客からは「バラエティ感がなくなった」との批判が相次ぎ、客数減が止まらなかった。

さらに“ブラック批判”を受けた労務環境の改善策として、2月から200店で定休日を設けた影響もあり、第1四半期(4~6月)の既存店売上高は10.4%減少。通期計画の前提とする4.5%減を大きく下回った。

2年連続の大量閉店へ

前期は全体の約15%に当たる不採算の100店を一気に閉鎖。それだけでは間に合わず、今期も85店の大量閉鎖を計画している。直近の第1四半期、国内外食事業は5億円の営業赤字を計上。前年同期の9.1億円の赤字から改善したが依然赤字のままだ。店舗閉鎖だけでなく、一度は挫折した新業態の開発にも、取り組む必要があろう。

そもそも、前期に24億円の利益を出し、ワタミの赤字縮小に貢献した介護事業を手放すことは、全体業績の回復の芽を摘むことにもなりかねない。介護の売却が実現しても、それは窮余の策で、抜本的な解決になりえない。

「週刊東洋経済」2015年9月19日号<14日発売>「核心リポート04」を転載)

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