吉野家が「客の求めない商品」を販売した理由 河村社長に聞く、値上げ後の客数回復への道
"絶対価格"を求める層がいるとわかった
――値上げ以降、客数の減少に歯止めがかかっていない。
現状については真摯に受け止める。(値上げした後)“絶対価格”を求める層、すなわち「牛丼並盛は300円以下」を望む方が一定数いることがわかった。
値上げで一時的に店舗の売り上げが増えることもあるが、最大の評価は客数にほからならない。店舗の清掃、丁寧な接客など、すべての活動がそれにつながる。絶対的な安さを求める方にも再び来店してもらえるよう、新商品開発などを積極的に取り組んでいきたい。
――足元の牛肉相場は下落傾向に転じている。再び値下げする可能性は?
アジア諸国を中心に、新興国の牛肉需要は大きく伸びている。中長期で見ると、価格が下がり続けるとは考えにくい。
仮にTPP(環太平洋経済連携協定)が妥結しても、輸入牛肉は現地相場や為替動向など、さまざまな要因で価格が決まる。関税が下がっただけで、牛肉価格が下がるとは限らない。今後の相場動向も楽観できない以上、頻繁に価格を上げ下げしないほうがいい。


















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