平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【ごはん編】〈再配信〉 「残念すぎる酢飯」が多い、その驚きの裏側は?

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本来、「伝統的なお酢(純米酢)」は、米を蒸して「麹」を育てるところからはじまります。

できあがった麹と蒸した米を混ぜて、ここに「酵母」を加えて発酵させることで、いったん日本酒を造ります。これは飲用の日本酒とは違って、風味の強い酒です。

その酒に「酢酸菌」を加えて、お酒の表面で「酢酸菌」を育てていきます。この「酢酸菌」が、お酒の「アルコール成分」を、お酢の主成分である「酢酸」に変えます

これを「酢酸発酵」といいます。昔ながらの壺(甕[かめ])で、ゆっくり熟成して完成させます。これを「上面発酵」といいます。

「純米酢」はなぜおいしい?「穀物酢」って何?

酢飯の味を大きく左右するのが「お酢」。「有機酸」や「アミノ酸」「糖類」などによって、複雑な味わい、風味が生まれ、それが「純米酢」のコク、おいしさを作り出す(写真はイメージです、写真:NOV/PIXTA)

できるまで半年から1年かかり、その間に微生物が醸し出す「有機酸」や「アミノ酸」「糖類」などによって複雑な味わい、風味が生まれます

これが「純米酢」のコク、おいしさを作り出すのです。

このお酢の発酵の過程における主成分を化学的に説明すると、以下の3ステップになります。

【ステップ1】米の「でんぷん」が、麹で「ブドウ糖」に変わる
【ステップ2】「ブドウ糖」が、酵母で「アルコール」に変わる
【ステップ3】「アルコール」が、酢酸菌で「酢酸」に変わる

化学的には「でんぷん」が「ブドウ糖」になって「酒」になるわけですから、「でんぷん」であれば米に限らず、より安価な小麦やトウモロコシなどを使ってもいいわけです。

ただし、「小麦だけ」「トウモロコシだけ」で作ってしまうと、全然おいしくありません。ですから、米に小麦、トウモロコシを混ぜて作るのが一般的で、これを「穀物酢」といいます。

「穀物酢」は小麦、トウモロコシが混ざっている分、「純米酢」に比べて圧倒的に安いけれども、風味が足りません。でも現実的にスーパーで一番売れているのは、この「穀物酢」です。高価な「純米酢」はなかなか売れません。

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