平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【ごはん編】〈再配信〉 「残念すぎる酢飯」が多い、その驚きの裏側は?

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一般的に、すし酢に使われるのは「お酢と砂糖と塩のみ」です。淡泊な酢飯にはお酢のよしあしがダイレクトに反映されてしまうのです。ごまかしがききません。

私の食べた「ちらし寿司の素」に使われていたのも、この「アルコール酢」、もしくは「速醸酢」だと思われます。混ぜたときの「酢酸臭」がとにかく強く、うま味がなく、酢飯のおいしさが感じられませんでした

寿司には「純米酢」が最も合う。いい「お酢」と「砂糖」と「塩」で作れば、酢飯は本当においしいもの。酢飯がおいしければ、それだけでちらし寿司は半分成功したようなものとも言える(写真:yukoym/PIXTA)

あくまで私の意見ですが、酢は伝統的な「純米酢」が一番おいしいと思うし、寿司には「純米酢」が最も合うと思っています。

「穀物酢」は風味がないし、「玄米酢」「果実酢」はやはり米とはテイストが合いません

「バルサミコ酢」はもっと合いません(笑)。

「寿司のおいしさ」を決めるものは何か

「ちらし寿司は具材がいろいろ入るしトッピングもあるのだから、酢飯はあまり関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、そうではありません。ちらし寿司のおいしさは「酢飯」が決めるのです。

ちらし寿司というより、寿司というものは「酢飯(シャリ)」のおいしさが決め手といっても過言ではありません。

いい「お酢」と「砂糖」と「塩」で作れば、酢飯は本当においしいものです。

「お酢の酸味」「アミノ酸のうま味」「砂糖の甘み」「塩のしょっぱさ」がご飯と絡み合って、「和食の究極のおいしさ」が表現されているのが「酢飯」だと私は思います。

『食品の裏側』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

酢飯がおいしければ、それだけでちらし寿司は半分成功したようなもの。

逆に言えば、酢飯がおいしくなければ、どんなにいい具材を使っても、豪華なトッピングをしても、おいしいちらし寿司はできません

そのぐらい、寿司において、酢飯は重要な位置を占めるものなのです。

ちなみにお酢の作り方、市販の寿司に使われる添加物については『食品の裏側』でも述べているので、興味のある方はご覧ください。

次回の記事では、【具材編】としてちらし寿司の具材の残念な真実を掘り下げつつ、「本当においしいちらし寿司の作り方」も紹介したいと思います。

*本記事の後編:平気で「ちらし寿司の素」買う人の盲点【具材編】

次回の記事では「おいしい具材」の作り方も解説。写真は、安部氏が開発した「魔法の調味料」さえあれば、簡単につくれる「カンタンパーティー混ぜ寿司」。大人も子どもも喜ぶ大人気の一品(撮影:佳川奈央)
安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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