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半導体のラピダスはこのままでは99.7%失敗する 成功するためにはいったい何をすればいいのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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最後の最後に提言をしよう。ラピダスはどうすればいいか。これまでの議論で明瞭であろう。研究、開発、製造、この3つのうち1つに絞る。製造なら、世界すべての半導体を作るプラットフォーム、インフラにならないといけない。しかし、台湾のTSMCと両立し得ない。勝てそうにもない。

ラピダスは、研究に特化すべき

だから、研究か開発に絞る。いちばんいいのは、研究に絞ることだ。これは、リスクは高い。勝ち組になる確率は低いうえに、ベストを尽くしても確率を少し上げる程度しかできない。運に大部分を頼ることになる。

しかし、これでやるしかない。メリットは比較的少額で済むことだ。これを競馬の馬券戦略にたとえると、単勝3倍に全財産をかけるような人がギャンブル中毒であり、破綻するのだが(日本企業はギャンブル中毒だったのだ)、そうではなく、私が前述したような推奨戦略を実行するのである。

つまり、5つのレースの勝ち馬をすべて当てる「win5」で大金を狙うが、できる分析はしつくして、他の人はほとんど買わないが、可能性がそれなりにある馬を選んで、点数を絞って、1万円程度の賭け金で4億円の賞金を狙いすますのと同じだ。これは賭ける価値のあるギャンブルであり、かつ破綻もしない。

大学などの研究機関を中心に、世界中からベストの人材、特に若手を、大金をはたいて集める。それでも毎年、数十億円、トータルでも数百億円で済むだろう。ただ、こういうやり方は、日本は得意ではない。中国や韓国の政治スタイルにはかなわないだろう。

研究と製造の間の製品開発に懸けるというのが、日本が得意で可能性のある方法だと思うが、本来はラピダスもここを狙っていたはずだ。それが拡散してしまっている。それは製造よりの製品開発もやる、という考え方(というよりテイストか)だからだ。

ここは、ほぼ基礎研究に近い開発に絞るべきだ。投資額は限定的で、リターンはそれなりに大きい。しかも、日本企業が伝統的に特異な領域だ。それしか、活路はない(本編はここで終了です。この後は、競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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