現在、「約45億年前に、火星(地球の半分)くらいの大きさの天体が、地球に衝突して大地の一部をはぎ取り、そのかけらが集まってできたのが月である」というシナリオが有力視されています。専門用語で「ジャイアント・インパクト説」といいます。
つまり、月は「地球から生まれた子ども」だというのです!
「親子説」に残る解決すべき課題とは
いま、自分の踏みしめている大地と同じものから月ができていたなんて、驚きですよね。
ただ、この「親子説(ジャイアント・インパクト説)」にも、まだ解決すべき課題が残っています。
地球のことを「母なる大地」と呼ぶこともあるので、地球を「母」、月を「子」、衝突してきた天体を「父」とすることにしましょう。
さきほど、月と地球がとても似ているため「夫婦説」は却下と言いましたが、問題なのは、月が地球に似すぎていることです。月はとびっきりの母親似で、父親の面影が見当たらないのです。
コンピューター・シミュレーションによる研究では、飛び散った破片には、父親である天体のかけらもかなり含まれていると予想されます。そのかけらが集まって月になったとすると、月の岩石部分にも、父親の天体の痕跡が残るはず。しかし、それが見当たらないのです。
「衝突の角度や回数の関係で、母親似になった」「もともと父親と母親が似ていた」「どこかに必ず父親の痕跡が残っている」など、いろいろな可能性を検討する研究が、いまも行われています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら