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自己放任が招いた「孤独死」この夏の過酷な現実 "死の現場"が映し出す社会のいびつな側面

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話を聞くと、女性は営業職としてブラック企業で身を粉にして働いていた。しかし会社の後輩の失態をかばったことをきっかけに、退職を余儀なくされる。そしてアパートに引きこもり、住戸がゴミ屋敷化し始めたのである。彼女は、必要以上に自分を責め、心身ともに衰弱していた。

過剰なほどに「自己責任社会」

「こうなったのはすべて自分のせい。このままゴミの中で死んでも仕方ないと思っているんです」

そう何度もつぶやき、死さえも受け入れようとした。そんな彼女の姿に、かつての自分がフラッシュバックした。私も、かたくなに他者に心を閉ざしていた時期があったからだ。親に愛された経験がないため自己肯定感が低く、命を脅かす極限の状態でも、自分が悪いからと自分を責めてしまう。彼女の思考が痛いほどに理解できた。彼女は私だったかもしれない──。

彼女は私の説得で福祉関係者とつながり、すんでのところで一命を取り留めた。しかしそれはほんの偶然にすぎない。多くの人が助けを求められず、命を落としていく。孤独の足跡を遺(のこ)しながら──。

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【清貧といえる生活を送っていた】

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