NGではない、ゲームやスマホとの新しい関係性 自然と子どもの身体を繋げるゲームの可能性とは

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視力維持のために屋外で過ごすことの重要性が世界中で叫ばれるようになった一方、日本の子どもたち自身は屋外に出ることを面倒くさいと感じているケースも多いようです。

台湾における子どもの近視割合
(画像:『近視は病気です』より)

春山:それはとても大きな機会損失ですね。

窪田:眼科医として、「1日2時間の屋外で過ごすことの大切さは理解できたが、子どもがスマホやゲームばかりに没頭してなかなか屋外に出たがらない」という親御さんたちのお悩みをよく聞きます。春山さんは、山に登るようになってゲームを一切やらなくなったと伺いました。ぜひそのお話を聞かせてください。

春山:もちろんです。

窪田前回、子どもの頃、おじい様から「遠くを見ろ」「星を見ろ」と口すっぱく言われたというお話をされていましたね。

春山:そうです。現在40代前半の私たちが子どもの頃は、ファミコン全盛期でした。私も他の子たちと同様、よくファミコンで遊んでいました。10代の頃にはプレイステーションが登場し、映し出される映像もどんどん鮮明になっていきました。

窪田:家庭用パソコンが普及し始めた頃でもありますね。

春山:そうですね。私自身はゲーム自体を否定はしません。ゲームで鍛えられる知能や感覚みたいなものはあると思っています。

窪田:それでも、ゲームを一切やらなくなってしまったんですよね?

他人が作った世界で動くのかどうか

春山:はい。キッパリやめたのは「結局、ゲームとは、誰かが作っている世界の中で自分が動かされているだけ」と気づいたときですね(笑)。20歳の頃だったと思います。その事実に気づいたとき、急につまらなくなってしまって。

窪田:誰かの手のひらで踊らされているという感覚でしょうか。

春山:まさにそうです。それで一気に興ざめして。そのことに気づいたのが、山に入るようになった時期と重なっているのは偶然ではないと思います。ゲームをやめたのは、登山を通じて「自分が動くことで世界が変わる」ことを、頭だけでなく身体でも体感できたことが大きく影響したのでしょう。

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