朝ドラ「おむすび」で"ギャル文化"がスベッたワケ 「平成」リバイバルブームが起きているのになぜ?

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一方、『おむすび』の主人公と同じく2004年にギャルだった世代は、現在30代後半くらいである。

ギャル世代の知人の何人かに聞いてみたのだが、「『おにぎり(発言ママ)』ですか? 見てないですねえ」とか、「私はギャル世代でしたが、ギャルじゃなかったんでよくわからないです」みたいな返事しかもらえず、参考になる意見は得られなかった。

“ギャル世代”は『おむすび』を見ていない

しかし、改めて考えてみると、これこそが、『おむすび』で描かれているギャルが視聴者に受け入れられていない理由ではないかということに気付かされる。

要するに、

1. ギャル世代の多くはこのドラマを観ていない
2. ドラマを観ていたとしても描かれている世界に共感を抱かない

ということだ。

そもそも、朝ドラのメインの視聴者は高齢者だ。少し古いが、2018年のNHKの調査で、年齢が上がるほど、視聴率も右肩上がりになっていくことが示されている。視聴者は、実に60歳以上が約5割を占めている。

筆者は50代前半だが、2000年前後のギャル文化は、自分より一回り下の世代の“異文化”、“異質の風俗”というイメージだった。現在、その時代のギャルを見せられても、「こういう子たちもいたな……」と思う程度で、「懐かしい」とは思わない。

近しい人にヒアリングしても、番組に関するSNSの投稿を見ていても、平成ギャルの世界には馴染みがなく、違和感を抱いている声が目立っていた。

筆者より下のギャル世代に聞いてみても、「自分はギャルじゃなかったからわからない」という回答ばかりだった。

2000年代、筆者はダンススクール(ただし、パラパラではない)に通っていたのだが、ギャルファッションの10代の女性の生徒もいた。話してみると普通の女子で、テレビで放映されているようなギャル用語を使ったりはしていなかった。

実際、「ギャルっぽいファッションはしていたが、ギャルではなかった」という人はほかにもいるのだが、「ギャルだった」という知り合いは筆者にはいない。

筆者とは住む世界が違うのだろうが、そもそも、当時「ギャル」と呼ばれていた人たちの数は、そんなに多かったのだろうか?

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