所沢に誕生「エミテラス」に"普通"の声が続出の訳 店は魅力的だが、施設自体の価値は不透明かも?
また、日用品売り場だけではなく、ゲームセンターやシネコンなどのエンタメ施設も入っており、全体としてバランスがいい。特にシネコンは1800席規模で12スクリーン、最新機器を揃えているため、所沢外からの需要も見込めるだろう。
このように、全体としてテナントパワーが優れており、「よくできたショッピングモール」という印象を持った。
エミテラス所沢は「価値」を生み出せるか?
しかし、この施設で土地の不動産価値が上がるのかと言われると、正直、なんとも不明瞭だと思ってしまった。というのも、今の話を聞いてお気づきの方もいるかもしれないが、ここ、「至って普通のショッピングモール」だからだ。
現状でのエミテラスの利点は、その大部分がテナントパワーに頼っている。しかし、例えば所沢の他の場所に似たテナントが出店すれば、別にエミテラスに行かなくてもよくなってしまう。
実際、ネットのレビューなどをみると、「映画館は嬉しいし、フードコートもいいけど、他は普通かな」といったものも散見される。特に所沢は、他に多くの商業施設があり、街全体として見たときには、すでに多くのテナントがひしめている状況である。
あるいは、より視野を広げれば、所沢に近い国道沿いに似たようなショッピングモールが乱立すれば、必然的にその価値は下がってしまう。
たとえば、16号線沿線は若年層の流入が多いエリアで、さまざまなショッピングモールが並んでいる。「エミテラス所沢」は主に駅を交通手段として用いる人向けに作られている施設だが、所沢周辺にも多くいる自家乗用車を持っている世帯であれば、そちらの郊外のショッピングモールに流れてしまうかもしれない。
こうなると、「エミテラス所沢だからこそ」の魅力を作っていく必要があるのだが、まだまだその「場所」としての魅力には乏しいのではないか、と感じてしまう。
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