「巨大サバが釣れまくる」ノルウェーと日本の差 沖合で小さなサバまで一網打尽にする日本

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筆者の記事に「漁業者が悪い」とコメントされることがあります。自分が漁業者であったらどうだろうかと考えていただくとわかります。魚を獲ることが漁業者の仕事です。魚をたくさん獲りたいと考えるのはごく当たり前です。漁業者が悪いのではなく、獲りすぎになってしまう制度が悪いのです。

サバの半分近くは養殖などのエサに使われている

② 3歳未満のサバの漁獲を禁止する。混じっても数%という厳しい制限を付ける。

産卵できる大きさに成長する前に漁獲する「成長乱獲」を止めること。0~1歳の「ローソクサバ」をはじめ、サバの幼魚を大量に漁獲している漁業に未来はありません。

③ サバは食用で99%になるようにする。養殖マグロのエサ用枠は別途設ける。

ノルウェーでは漁獲の99%が食用です。日本では、養殖を主体としたエサに使用する比率が52%(2023年32漁港)となっています。実にもったいないことをしています。エサの比率が増えているのは、食用になる大きさになっていないためです。

幼魚の乱獲が進むことで資源はさらに悪化していきます。養殖マグロのエサには、サバ以外を使ったり、残渣を使ったりすること。サバを使う場合はエサ用の枠を設けること。マグロも大事ですが、資源が少ないのに小サバをエサ用にたくさん獲ってしまっている問題に気づくべきです。

もちろん、小サバを獲っても問題ないだけの十分な資源があり、資源が持続的になる仕組みになっていれば問題はありません。ただそれは、資源管理が機能する前提の遠い先の話です。

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