がんばれ日本のU-NEXT「ハリポタが救いの手」 ライト層にとって最強「アマプラ」は対極な戦略

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U-NEXT 本多利彦
U-NEXTの本多利彦取締役COO(右)が9月下旬にバリ島で開催されたビジネスサミット「APOS」で「Max」について語り、注目を集めた(筆者撮影)

また「U-NEXTは、日本国内の動画配信サービスの中で最大の作品ボリュームを持ち、すべての層のニーズを満たすコンテンツを提供している」とも強調していました。2023年7月に「Paravi」サービスを吸収して以降、ドラマ「VIVANT」といったTBSの超人気コンテンツなども加え、欧州サッカーやゴルフ、格闘技などスポーツライブ配信にも積極的です。今後は音楽配信サービスにも力を入れる計画も明かしています。

つまるところ全方位戦略です。加えて、全方位の中でそれぞれのジャンルで深く刺さるコンテンツを揃えていく方針であることがうかがえます。例えば、次々と最新の海外ドラマを観たいユーザーにとって欠かせないサービスになることを目指すということです。

他のサービスと比べてU-NEXTは月額基本料金が2189円(税込み)と高めですが、映画チケットと引き換えることもできる「ポイント付与」を使いこなし、それがコスパの良さとして感じるヘビーユーザー層を囲い込んでいくとも言えそうです。

日本作品に積極投資するAmazon

一方、ライト層にとって最強なのがAmazonのプライム・ビデオです。年間プラン5900円(税込み)または月額プラン600円(税込み)のプライム会員であれば、プライム・ビデオにラインナップされている作品は見放題という破格値です。ただし、『ハリー・ポッター』シリーズをいつでも繰り返し見たいハリポタ好きには向いていないのかもしれません。別途レンタル料金が必要になる場合もあるからです。

Amazonの方針も割とわかりやすいものです。ビジネスサミット「APOS」にはプライム・ビデオの日本のコンテンツを統括する石橋陽輔氏も登壇し、「たとえばアニメであれば、独占タイトルを限定数揃えること以上に、幅広いセレクションを提供できることに力を注いでいます」という発言は明白です。

Amazon 石橋陽輔
Amazonのプライム・ビデオ日本のコンテンツ・ヘッド石橋陽輔氏(右)も「APOS」に登壇。プライム・ビデオのアジア担当ヴァイス・プレジデントと共に戦略を語った(筆者撮影)

独占配信として打ち出すジャンルはここのところスポーツに集中しています。『Prime Video Boxing』と称するボクシングの大型注目試合や、野球でも世界一決定戦の「ワールドベースボールクラシック(WBC)」といったライト層からも関心を持たれるタイトルを選んでいる印象です。

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