がんばれ日本のU-NEXT「ハリポタが救いの手」 ライト層にとって最強「アマプラ」は対極な戦略

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また日本作品に積極投資するアメリカ資本のサービスという側面もあります。婚活リアリティショーの「バチェラー」シリーズの日本版制作は成功例の1つです。また10月25日から世界独占配信する竹内涼真主演の『龍が如く ~Beyond the Game~』はセガのヒットゲームシリーズを基にオリジナル脚本で制作したもの。世界的にヒットとしているゲームタイトルに加えて、ヤクザものという切り口が決め手になったのか、本国のアメリカサイドの発案から実現しています。

竹内涼真
10月25日からAmazonのプライム・ビデオで世界独占配信する竹内涼真主演『龍が如く ~Beyond the Game~』。セガの超ヒットゲームタイトルを基にドラマ化された(画像:Amazonのプライム・ビデオ)

ローカル作品に人気が集中

「Amazonのプライム・ビデオの戦略の柱の1つがローカルのオリジナルコンテンツを顧客に提供すること。マンガや小説、ゲームなど、魅力的で豊富な日本のローカルIPを活用することにも全力を注いでいます」と石橋氏が語っていた方針はアメリカ資本サービスにとって勝ち筋とも言えます。結果としてAmazonは日本の動画配信サービス市場をリードしているわけです。

日本に限ったことではありませんが、ローカル作品が最も好まれる傾向は高く、なかでも日本はローカル作品に人気が集中しがちです。大きなパイと捉えるAmazonと多様な好みを深掘りするU-NEXTはある意味対極的ですが、まだまだ成長基調にある動画配信サービスの市場を牽引していくことは間違いありません。どちらのサービスを選ぶのかは、それぞれのわかりやすい戦略から自分好みのものを選べばいいはずです。

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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