ゼネコン「けんせつ探検隊」がひっそりと蒔いた種 親子参加の体験会で「今の建設現場」を伝える

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「クレーンには初めて乗った。上から見ると工事現場は広いな、と思った」。そう話す田中陽彩さん(9歳)は、「モノをつくるのが好きなので建設の現場に興味があった」という。

「もう1回乗りたい」(坂優也さん、9歳)、「楽しかった。スカイツリーが見えた」(前出の島根さん)。ほとんどの参加者が高所作業車の体験に胸を躍らせた。

けんせつ探検隊
千葉県市川市「国府台公園野球場」でのお仕事体験はクレーンへの搭乗。子どもたちの反応は上々だった(記者撮影)

日建連がけんせつ探検隊を始めるようになったのは、国土交通省の建設業課から女子の小・中学生を対象とした現場見学会開催の協力要請があったためだ。

折しも、建設業における女性活躍推進について、官民一体となってさまざまな展開をしているところだったこともあり、日建連はこれに賛同。「けんせつ小町活躍現場見学会」としてスタートした。

コロナ渦でいったん中止となったが、2022年度に再開した際に「女の子だけでなく、男の子も参加対象とし、女性が主体に活躍する現場だけでなく幅広く展開することとした」(日建連の中井常務)。それに伴って、けんせつ探検隊に名称を変更した。

「建設現場はきれい」と保護者

見学してもらう工事には多様性がある。オフィス、マンション、野球場といった建築分野、そして高速道路の橋梁やトンネルなどの土木分野までと幅広い。しかも会場は北海道から沖縄までと全国津々浦々にわたる。

関係者が苦心して続けてきたイベントだが、ここにきてようやく効果を発現しはじめている。

「建設の現場って、すごくきれいなことがわかった。トイレもきれいだった。タブレットを持って仕事をしている人もいて、進化しているんだなと思った」。長男の付き添いでけんせつ探険隊に参加した寺田朋美さん(30代)は、現場の環境が改善していることを敏感に感じ取っていた。

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