ゼネコン「けんせつ探検隊」がひっそりと蒔いた種 親子参加の体験会で「今の建設現場」を伝える

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冒頭の場面は、「江戸東京博物館」(東京都墨田区)の改修工事において、今年7月に行われたけんせつ探検隊の様子だ。親子合計で19名が参加した。工事はスーパーゼネコンの大成建設が手がけており、2025年度中に完成する予定となっている。

工事範囲は地下2階、地上7階で建築面積は約1万7000㎡。江戸東京博物館は築30年と古くなったため、外壁の塗料の塗り直し、3階「江戸東京ひろば」の大空間天井の仕上げ工事や、博物館のシンボルとも言える大きな斜め屋根の葺き替え工事などが実施されている。

現場では200トンクレーンや13トンクレーン、ゴンドラなどの建設機械があちこちで稼働していた。参加した親子は、ポイントポイントで説明を受けながら、工事現場を見て回った。フォークリフトやミニコンボなどの運転席に座り、記念撮影に興じる場面もあった。

恒例企画の「お仕事体験」

けんせつ探検隊の恒例企画「お仕事体験」(実際の建設作業を体験できる)は、冒頭で記述した墨出し作業。ビルなど建物をつくる際の縦、横、高さの物差しになるため、職人技が求められる。親子はときおり線が歪む失敗をしながらも、正確にチョークラインを引いていった。

墨出しを終えた都内出身の中間千聖さん(12歳)は、「線を引くやつは楽しかった」と満足げ。寺田想介さん(7歳)は「墨出しは難しそうに見えたけど、なんとかできた。またイベントに参加したい」と語った。

けんせつ探検隊
江戸東京博物館での「お仕事体験」の様子。参加した親子は職人技が要求される墨出し作業を体験した(記者撮影)

同じく7月には、「国府台公園野球場」(千葉県市川市)の整備工事において、けんせつ探検隊が実施された。子どもは小学2年生から中学3年生まで12名、親子合計で24名が参加した。工事を手がけるのは、北陸を創業地とする名門の佐藤工業だ。

同野球場は1950年(昭和25年)のオープンで老朽化していたため、取り壊して新しい野球場を建設する。2025年3月の完成を目指している。

近隣に配慮し、ネットの高さは35メートルとした。全面に人工芝を貼っており、千葉ロッテマリーンズの二軍の試合が開催される予定だ。「工事が完成して施設が開業すれば、もう一度見に来たい」。野球が好きだという島根義和さん(8歳)は、目を輝かせた。

ここでのお仕事体験は、高所作業車に乗ること。クレーンの台車に乗り込んだ親子は、照明やネットと同じ高さの35メートルまで昇った。

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