ゼネコン、「嫌われる就職先」が一変し今や狙い目 匿名座談会「現場で働くリアル」を本音トーク
Aさん 20代女性。準大手ゼネコンの建設技術者
Bさん 40代男性。大手ゼネコンの建設技術者
Cさん 50代男性。Aさんと同じ準大手ゼネコンの事務職
――この10年ほど、ゼネコンに就職する女子学生の数が右肩上がりです。建設現場での女性の活躍状況は?
Aさん 私の7年ぐらい上の先輩が、当社初の女性技術者(総合職)だった。その頃から女性技術者が増えてきている。
先輩などは「ゼネコンに行くぞ」と相当の覚悟(使命感)を持って就業されたと想像する。私たちのときは、ゼネコンはあくまで、就職先の選択肢のひとつにすぎなかった。入社してから、業界全体で「女性が、女性が」(女性の活躍が重要)と言われていることを知って、びっくりした。
Bさん スーパーゼネコンの大林組などは、女性技術者が早い段階から活躍している印象がある。かつてとは違い、今の女性技術者は「強そうな人」というよりも、優しさを備えつつも「芯」のある人が多いように思う。
Cさん 今は建設現場に女性がいることに違和感がない。30年ぐらい前に長谷工コーポレーションに女性所長がいたのだが、現場は実家の近くであることなど条件面で配慮があったようだ。
そういった配慮がありながら、実際に現場で活躍する人が増えてきて、現場の雰囲気がすごく変わっていった。それを見た大手ゼネコンが女性技術者を増やしていった。
数年前まで現場には女性トイレなし
Bさん 女性の現場での活躍は、今は一般的かも。それよりも、ここ数年の労働環境の変わりようが激しいと思う。
かつては(工期を間に合わせるために)残業が無制限にあると言っても過言ではなかったが、今は「休みを確保する」という考え方が浸透している。ボーナスを含めた賃金も手厚くなった。
――建設現場では本当に労働環境が改善されているのでしょうか。
Bさん 2024年問題対策(2024年4月から建設業に時間外労働規制が適用開始された)や人手不足を解消する狙いもあり、この10年で就労時間や待遇面などの労働環境が一気に改善している。
Aさん 私が入社したときは、現場に女性トイレがあるのが当たり前だった。数年前までは、業界団体が「女性トイレ普及比率が何%になった」などと発表していて、「女性トイレのない現場もあるんだ」と、びっくりした記憶がある。いまは清潔感のある女性トイレが整備されている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら