ゼネコン、「嫌われる就職先」が一変し今や狙い目 匿名座談会「現場で働くリアル」を本音トーク
――しかし、離職する若い就労者も多い業界です。みなさんは学生に業界への就業を勧めますか。
Cさん 客観的に見て、今のゼネコンは就職先として狙い目ではないだろうか。給料が上がっていて、働きやすくなっている。
実は、就活中の息子に「ゼネコンはどうだ」と勧めている。ただ、息子は転勤がある職種であることに難色を示している。最近の若い人は、転勤を避けたいと考える人が増えている。
Bさん かつては(優秀な学生かどうかを)吟味して選別していたが、今は新卒学生の争奪戦が激しくて、会社側にそこまで選択するほどの余裕がない。いわゆる供給者側が優位な状況。給料も上がっているし、学生にとって就職先として考えるのはいいかもしれない。
エリア総合職(給料は若干減るが転勤しなくてもよい働き方)を制度として設けているゼネコンもある。転勤が嫌な場合はそういった会社を選べばいい。
Aさん 確かに私の同期では、「転勤が嫌だ」と言って辞めていった人が実際にいる。会社に残っている人の意見で多いのは、「ボーナスがいいから」という理由。「転職するならば建設業の別の会社に行きたい」と、建設業自体に魅力を持ち続けている人もいる。
建設業に魅力を感じる瞬間
――3人の中でいちばん若手のAさんはどのような動機でゼネコン業界に就職したのですか。
Aさん そもそものきっかけは、学生時代に住宅のビフォー・アフターのテレビ番組を見たこと。あまり深く考えずに、建築ってカッコいいなと思った。
それで大学に進学する際、看護師とか栄養士などの道を進む選択もあったけれど、「やっぱり建築は楽しそうだ」と、フワっとした感覚で選んだ。最初はデザイナーに憧れたが、大学で学んでいくうちに建設技術者を目指すようになった。
――実際に働くとどういうところに魅力を感じるのでしょう?
Cさん 建設技術者は、「建物が完成したときがもっとも嬉しい」とよく言うよね。
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