「法務をわからない人」が出世できない理由 ビジネスパーソンが押さえるべきポイント

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8月に『事業担当者のための逆引き法務ビジネスハンドブック』を出版した、塩野 誠氏(写真右)と宮下 和昌氏(写真左)
企業の法令違反の不祥事がニュースで大きく取り上げられ、ビジネスパーソンの日々の仕事でも「これって法的に大丈夫?」ということはあるもの。今回は「逆引き」をコンセプトに誰にでもわかりやすい法務ハンドブックを出版した、経営共創基盤の塩野誠氏と宮下和昌氏に話を聞いた。

会社では多角的な法令の確認が必要な場面が多い

――今回、出版された『事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック』(以下、逆引き法務)ですが、「逆引き」というのはどんな意味なのでしょうか。

塩野:ビジネスパーソンの方々が日々、営業をしたり事業を企画したりと仕事をしていくなかで、「これって法的に大丈夫?」と思ったり周りに聞かれたりすることがあると思うのですが、そこから法律の条文にあたって法的な論点整理をするのは難しいものです。またビジネスではひとつの法令の条文だけを確認すればいいわけでなく、ひとつの状況で民法、会社法、金商法、独禁法など法律、そして条令や判例の確認が必要なことも多いので、法令からではなく、「ビジネスシーン」から法的論点を確認できるような「逆引き」となっています。

宮下:当然のことながら、社内外の法律専門家に対して調査を依頼する場合でも、論点を絞って依頼するのとそうでないのとでは、回答の質がまったく異なります。

本書を使って法的論点を“逆引き”していただければ、「自分が知っていること、知らなかったこと」「深く調査が必要なこと、そうでないこと」を効率よく確認し、論点を絞った調査依頼をすることが可能です。また、定評のある法律専門書へのリファレンスもきめ細かに盛り込むことにより、ビジネスパーソンの方々が自分自身で調査することも可能となるよう工夫しています。

ビジネスを進めていくと、法律の規制問題に直面する場面が必ずある(写真:Emie / PIXTA)

――確かに仕事をしていると上司に「法的に大丈夫か確認しておけ」とふられて困るケースもありそうです。

塩野:仕事でちょっと新しいやり方をしようとすると、必ず法律や規制の問題に当たります。そんな時にすぐに役立つ本を目指しました。われわれは法律事務所ではないので、ビジネスの現場での経験から必要なエッセンスを凝縮しました。

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