(第77回)キャリアセンター意識調査~その1 2013年卒採用の変化

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●12月1日より前に注力する就活指導の内容は例年どおり

「12月1日より前の就職指導、キャリア教育で特に注力していること」という設問はフリーコメント形式で行った。内容はほぼ似通っている。

就職意欲の喚起、自己分析、業界研究、エントリーシート対策、面接対策、就職相談対応、インターンシップ、キャリア教育の充実、筆記試験・SPI対策、メイクアップ講座、OB・OGとの意見交換会、企業見学会、就活体験報告会と、これまでのキャリア・就職支援の内容と同一だ。

2カ月遅れのスタートによって「短期決戦」になる、と予測するキャリアセンターが多く、スタートダッシュに耐えられるように学生の準備を進めさせたい意向が感じられる。しかし、就活に王道はないから、例年どおりの指導をより丁寧に行っているようだ。

企業との関係では、インターンシップだけでなく、「企業人による講演会で職業観の醸成」を図る大学がかなりある。また「採用と直結しないインターンシップやワンデーセミナーの実施協力をお願いしたい」という声もある。

●大学規模によって差が顕著な学内合同セミナーへの企業誘致

選考までの期間が短くなった13年新卒採用。当然ながら合同企業セミナーは就活生で混み合う。キャリアセンターは学内合同セミナーにどのように取り組んでいるのか。

この設問に関する回答は、大学の規模によって分かれてくる。大規模校ほど余裕があり、小規模校ほど積極的に参加企業を開拓しているのだ。

全体でいえば、「企業数は多く集まると予測しているので、これまでと変わらない」が31%だ。参加企業が質量ともに満足できる水準にある大学だ。「企業数は多く集まると予測しているが、レベルや多様性に課題があるので積極的に開拓する」は28%。量は満足だが、質(業種、規模など)には満足していない。「企業数がそれほど集まらないと予測するので、数を集めるために積極的に開拓する」は、量もままならないという大学で25%もある。

この数字を大学規模別で見ると、はっきりとした傾向がある。「5001人以上」の大学は、37%が質・量ともに満足し、41%が質に不満足で、量にも満足していないのは15%にとどまる。

ところが、「1000人以下」の小規模校になると、質・量ともに満足している大学は26%にとどまり、質に不満足な大学は11%、そして量にも満足していない大学は41%もある。

図表4:学内合同セミナーへの企業誘致状況

 

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