「石破新政権誕生」で、日本株は停滞しかねない 「日本経済への疑念」は簡単に収まりそうにない

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9月20日の記者会見の場で、日銀の植田和男総裁は「政策判断にあたって先ほど来申し上げてきたような点を確認していく時間的な余裕はある」と述べたことをうけて、その後は「日銀の利上げの可能性は高くない」との見方が金融市場では強まっている。

ただ、「経済物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています」と従来から植田総裁の考えは全く変わっていない。経済成長見通しは下方修正が続いているのだが、10月末の展望レポートでは「(半ば強引に)見通しどおりシナリオが実現している」と判断する可能性が高まった。

新政権の経済政策運営に強い懸念

だが、日銀による時期尚早な利上げも、家計部門への懲罰的な課税を放置する緊縮的な財政政策も、民間経済の成長を大きく阻害する要因である。

これらの足かせがなくなれば、市場経済での公正な競争を通じて経済成長は実現するし、労働生産性も自ずと高まる。そして、持続的な経済成長が実現すれば、安全保障分野の強化も可能になるし、国民は経済的な豊かさを実感できるはずだ。

筆者は「何が正しい経済政策であるか」を正しく理解している政治リーダーとしての資質を、最も備えている候補は高市氏だったと考えている。

実際には、石破新政権によって、今後の日本の経済政策運営は大きく転換しかねず、日本株も停滞しかねない。経済安定化政策が、より引き締めの方向に傾斜する懸念は簡単には収まらないだろう、と筆者は強く懸念している。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません。当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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