「プリン体ゼロ」「糖質ゼロ」の怪しすぎる効果 人間の体はそんなに単純ではありません!
確かに糖質を制限すると血糖値が抑制されることでインシュリン(ホルモン)の追加分泌が減って痩せやすくなるのですが、極端な糖質制限では食欲が収まらず、イライラやストレスが募ってダイエットも続けられなくなってしまい、かえって過食にもなりかねません。
糖を栄養源としている脳の満腹を司る視床下部腹内側核は、糖を感知して食欲を抑制しています。糖の摂取不足で糖が満たされない限り、摂食を司る視床下部外側野のほうは1日中、食欲が止まらないわけです。それを自らの意志で食べないように我慢することなど到底不可能なことなのです。
たとえそれを我慢して痩せたところで、精神や代謝などへのしわよせが生じ、リバウンドするのは当然な結果なのです。
飲料や食品の「ゼロ」表示をどう読むかについては、拙著『体を壊す食品「ゼロ」表示の罠』でも詳しくふれていますが、そんな体のメカニズムを知らずに糖質制限や糖質ゼロ飲料を摂っていると「糖質ゼロ」の安心感も手伝って知らず知らずに日々の食べ過ぎ、摂り過ぎに気付かなくなってしまいます。
しかも糖質ゼロでも甘味があるのは、人工甘味料が使われているからなのです。人工甘味料の甘さは砂糖の数百倍以上なので砂糖の代用として使う程度なら極少量で何の問題も生じないと思いますが、日々常用してしまうことで体への悪影響も危惧されています。
夏場のダイエットがダメな理由
夏は薄着や水着になる機会も多いのでダイエットを志す方々も多いはずです。
しかしその前にダイエットの基本を振り返ると、まず「摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やす」、そして「食べた摂取カロリーを体脂肪に変えにくい体質にする」ことが一般的な認識です。
次に夏の食生活を振り返ってみましょう。夏は暑さのせいでどうしてもアッサリしたものを好む傾向にあります、それでジュースなどの水分やアイスクリームなどの冷たいスイーツも多くなってしまうので、カロリーは高くてもタンパク質・脂質・炭水化物(糖質)やビタミン・ミネラルのバランスが崩れて栄養価が低くなってしまいます。
春、秋、冬と比較した場合には明らかに夏の方が食事量は少ないのになぜか体重は変わらない、それどころか逆に太って(夏太り)しまう人も多いのではないでしょうか。その原因を探りながら夏のダイエットについて考えましょう。