残暑はまだ続きそうですが、秋の気配が近づくと「今年もずいぶん、飲みすぎてしまったなあ……」と後悔し始める方も多いはず。確かに夏場は、ビアガーデンや夏祭り、花火大会など、ビールやそのほかのお酒をがぶ飲みしてしまう機会が多いものです。
ビールの弊害として真っ先に思いつくのは、「プリン体」ではないでしょうか? しかしこのプリン体、実は体を円滑に動かす大事な役割も担っていて、「悪者」と決めつけるのは早計かもしれません。
そもそもプリン体は、細胞の中心に存在する「核酸」を構成する主成分の総称であり、実はいろいろな種類があるものなのです。ほとんどの生物の細胞内に含まれているため、お肉や魚をはじめ、人も自らプリン体を生成する機能を持っています。
どこからが「摂りすぎ」?
人体ではプリン体は肝臓で代謝され、尿酸となって体外に排泄されます。そして食品でプリン体を多く含むものはレバーや白子。レバーは動物の肝臓、白子も雄の魚の腹にある内臓の一種なので、要するに人と同じくプリン体を代謝する場所に多く含まれているということです。
酒類はビールにいちばん多く、日本酒などにも含まれます。一方でワインや焼酎には極微量しか含まれていないので、アルコール度数の低いお酒を好む方はビールよりもチューハイ、アルコール度数が高めのお酒を好む方は日本酒よりワインにするといいかもしれません。
プリン体は、摂りすぎると痛風や高尿酸血症など、主に「尿酸」が原因の病気になりやすくなります。人の体ではつねに1200mgの尿酸が蓄積されており、それが正常値と考えられています。限界は1500mgで、それを超えると先述の病気のリスクが高くなります。
特に痛風は、近年中高年だけでなく、30~40代男性の発症も増えているようです。レバーや白子を毎日大量に食べる機会は少ないと思いますが、飲酒でのプリン体の摂りすぎには注意が必要。
ちなみに、プリン体が悪影響とならないお酒の目安量は、ビールなら1日500mlまで、日本酒は1合までです。
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