外国人材育成は日本人と変わらないというリアル 「この会社だから長く働きたい」に国籍は関係ない

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現場の責任者である新日本ビルサービス東京営業部の山岸弘忠部長は、「国籍が違うからと、外国人の従業員に対して不都合は感じたことはありません。さらに言えば、この国籍の人とこの国籍の相性が悪い、または仲が良いとか、どの国の人が向いているということもない。それは個人の個性によるものです」。

また「もちろん、国によって大きな特性はあります。例えば、中国人は金銭に敏感でスピードを重視し効率を上げる一方で、フィリピン人はスピードはないが仕事が丁寧です。国ごとに派閥ができるわけでもありません」とみています。

日本人との違い

ただし、日本人と外国人の違いを感じる場面は何度かあるそうです。

ミャンマー人技能実習生7期生と関根一成社長(右端)、山岸弘忠部長(左から5人目、写真・新日本ビルサービス)

例えば、シティホテルの清掃業務では、ゴミ箱に捨てられたものを持ち帰る例はよく見られます。これは忘れ物ではなく意図的に捨てられたものですが「捨てるのはもったいない」と考える外国人は多いようです。

また、仕事終わりに待合室で飲酒するケースもあり、日本人であれば職場ではなく別の場所に移動してから飲むのが一般的であるので、その行動には驚かされたそうです。

一方で、外国人従業員は仕事に関して協力的な部分も多く、例えば残業を喜んで行い、お金を稼ぐことに積極的であり、日本人が嫌がる仕事でも割り切って取り組むため、とても助かっているそうです。

「ビルメンテナンス情報年鑑2023」によると、一般清掃業務で最も多い年齢層は60歳以上で、全体のほぼ半数となる46.7%を占めます。今後、日本人の採用が厳しくなることはあっても逆になることは考えにくい。そのため、外国人の比率はますます上がると予想されます。

業界内ではデジタル変革(DX)も進んでおり、ロボットによる自動清掃が増えています。新日本ビルサービス社は、ビルメンテナンス業界の中でもトップクラスのDX化を進めており、100台以上のロボット掃除機が20以上の現場で活躍しています。

しかし、高級ホテルのベッドメイクやトイレ清掃など、どうしても機械では代用できない作業も残っています。そのため、日本人従業員の確保が厳しくもあり、今後もますます外国人に頼らざるをえない状況になっています。

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