「エンドウ豆からできたジン」世界中で注目のなぜ 仕掛け人は女性醸造家、蒸溜法は無償で公開も

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自家農場があることの重要な利点は、原料のあらゆる側面を自分たちで管理でき、トレーサビリティを完全保証できること。そしてそれゆえのプレミアム性を正当に主張できることだ。

商業的農業を営むアービキーの農場は、もともとスーパーなどに作物を出荷している。外観やサイズなどが出荷先の基準を満たさない規格外作物は、多くの場合、廃棄されたり、周辺の一般家庭に安価で提供されたりしていた。

だが、蒸溜所が稼働して以来、規格外のジャガイモはウォッカの原料となっている。ジャガイモ製ウォッカにはイチゴで風味をつけたバージョンもあり、規格外のイチゴが大いに活用されている。

ウォッカ
売り物にならない規格外のジャガイモを原料にしたウォッカ(写真: Arbikie Distillery提供)

クライメートポジティブを実現した作物

日本でも、老舗蔵元の神戸酒心館が2022年に世界初のカーボンゼロな日本酒「福寿 純米酒 エコゼロ」を発売して話題になった。神戸酒心館の場合、醸造工程に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーと、カーボンニュートラルな都市ガスに転換することで、二酸化炭素排出量実質ゼロを達成した。

一方、カーボンゼロの先を行くのがクライメートポジティブ。その秘密はエンドウ豆にある。

エンドウ豆
農場のエンドウ豆(写真:Arbikie Distillery提供)
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