実際に装着して試したが、ガヤガヤしていたハンズオンエリアに静寂が訪れ、人の声を感知するモードに切り替えると、説明員の声だけが浮かび上がってくる。それでいて、軽快な装着感で、日本での販売価格も税込3万円以下と、非常に魅力的な製品だ。
なお、アクティブノイズキャンセリングに対応しないAirPods 4も、2万1800円(税込)で販売されるが、ケースが異なり、ワイヤレス充電やスピーカー、「探す」機能が省かれている。
オーディオや「聴覚」に注力
今回の発表を通じて、一貫してテーマとなっていたのは、オーディオ、聴覚についてだ。
iPhone 16 Proでは、4つのマイクによるスタジオ品質の録音が可能となり、ビデオに映っている人の声のみを拾ったり、映画のように人の声が中央から聞こえるような効果を適用できるようになった。
これはまわりの雰囲気を記録したいのか、会話に注目したいのか、という意図を音声で再現することができる。
また、iPhoneを用いた聴力検査への対応や、AirPods Pro 2のアップデートで、聴力チェックを行い、聞こえにくい周波数帯を検査し、AirPods Pro 2に聴力補助を行う役割を持たせることができるようになる。
アップルは今回、他社が手がけている折りたたみ型の端末などは用意せず、これまで通りのスタイル、細長い長方形の板状のスマートフォンで勝負をした。
かつ、売りになるはずのAI機能「Apple Intelligence」は年内にはアメリカや英語圏での利用開始となり、日本を含むその他の国々ではマーケティング上の即効性を持たない。
一番の売りを封じられている状況にあっても、iPhone 16、iPhone 16 Proの双方で魅力的な機能を追加した。
カメラ機能とバッテリー性能は、アップルが長年取り組んできた、多くの人たちが共通して興味を持つ要素であり、そこがまだ進化する、ということに驚かされた。
単に1つの機能を向上させるのではなく、設計全体を最適化させながら、できることを増やしていく、そんな地道ながら着実なアップルの姿勢が、強く表れた発表だったのではないだろうか。
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