今回のiPhoneシリーズで注目されていたのは、iPhoneに搭載される人工知能、Apple Intelligenceについてだ。
細かい機能についてはすでに6月に開催されたWWDC24で発表済みだが、今回のiPhoneを「Apple Intelligenceのために一から設計した」としており、買い換えや乗り換えも含めて、大きなチャンスにしたいアップルの考えが透けて見える。
Apple Intelligenceは、大半は端末内で処理されるAIモデルの実行となり、一部はプライバシーに配慮しながらのクラウド処理が行われる。端末からデータを出さずAI利用できる点でプライバシーの観点から極めて有利で、とくに企業の利用などにも対応する。
しかしその分、スマートフォンのAI処理性能を高めつつ、消費電力が増えないようにしなければならない。今回のA18・A18 Proチップは、機械学習処理やメモリーの速度を高めつつ、電力効率を高め、端末上で頻繁にAI処理を行っても、バッテリー持続時間を維持できるようにしている。
すでに開発者向けベータ版で、アメリカ英語に言語設定をすると利用できるApple Intelligence。10月からはアメリカでベータ版として提供が始まることはWWDC24のアナウンス通りだが、これに加えて、イギリス、オーストラリアなどの英語圏で2024年12月に提供が始まることがアナウンスされた。各国の英語にローカライズされるという。
また、英語以外の言語については、中国語、フランス語、スペイン語に加え、日本語についても、2025年中に開始することが、今回明言された。
Apple Intelligenceが利用できるかどうかは、iPhone 16、iPhone 16 Proシリーズの購入・買い換え動機に大きく影響があると考えられ、主要市場での開始時期を明言することで、顧客の後押しをしようとしている。
魅力的な新色と「素材変更」
例年、新モデルは、定番のホワイトとブラック以外に新しいカラーを追加しているが、今回iPhone 16シリーズは、鮮やかな青のウルトラマリン、落ち着いた緑のティール、iPhone 15よりぐっと色味が濃くなったピンクの3色が追加された。また、iPhone 16 Proシリーズでは、ゴールドカラーが追加されている。
Apple Watchに目を移すと、これまでステンレススチールを採用していたモデルは、表面を磨いたチタニウムに素材変更された。95%再生チタンを利用し、より環境負荷を下げる対策ととらえることができる。
昨年iPhone 15 Proシリーズで、ステンレススチールからチタンに素材が変更されており、製品本体で使われる金属は、アルミニウムとチタンに集約されつつある。いずれも、再生素材に転換され、クローズドサイクルの実現に向けた対策が進んでいる。
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