プロから見て日本の「免税制度」は便利すぎる 欧米にも積極的にアピールしたほうがいい

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免税取り扱いの表示は、国内の至る所で目にするようになった

国際空港にある免税店では、消費税だけでなく輸入関税(英語でDuty)が免除されるため、これを「デューティー・フリー・ショップ(ストア)」と呼ぶ。

一方、ご近所のスーパーやドラッグストアは、消費税8%分だけの免除が認められており、これを「タックス・フリー・ショップ(ストア)」という。英語ではこのように2つの言い方で明確に判別されているが、日本語ではひとまとめにして「免税店」と呼ばれている。ちなみにタックス・フリー・ショップの方は日本での正式な呼び名は「消費税免税店(輸出物品販売場)」という。

デューティー・フリー・ショップはどこにあるのかといえば、日本国内では空港の国際線ターミナルの出発ロビーに設けられている。

ちなみに、ハワイやグアム、韓国などでは、滞在中にのんびり買い物を楽しめるよう、街中に設けられている例もある。この「市中免税店」と呼ばれる業態について、日本でも今秋、三越銀座店に市中免税店がオープンする見込みだ。今まで特殊事例として沖縄にこのような店舗があるが、それを除くと「空港外」にデューティー・フリーの店舗を出店するのは初のケースとなる(外国人を囲い込め!銀座三越で市中免税店)。これは、インバウンド需要の獲得合戦にも大きな影響を与えそうだ。

欧州のイメージでは「税関はいつも長蛇の列」

「ロンドン・ヒースロー空港の税関はいつもアジア人で長蛇の列。日本を出る時、あんな面倒に巻き込まれるのは嫌だから、免税手続きをやる気なんてまったくなかったわよ」

羽田からロンドンに帰る途中、機内で居合わせた英国婦人がそう話してくれた。これはいったいどういうことなのか。

海外における払い戻しは、複雑で時間がかかることが多い。海外旅行の帰り際に付加価値税(VAT)の払い戻し申請をしたことがある方もいるだろう。欧州連合(EU)加盟28カ国をはじめ、韓国などには出国時に税関に申告すると支払った税金が返還してもらえる制度がある。

ちなみに韓国の場合は、デューティーフリーの市中免税店が運営されている一方、VATを還付する手続きをしてくれるタックスフリーの免税店もある。つまり、2種類の免税店が街中に混在している。

EU加盟国や韓国のような国では、いったん支払った税金が空港において払い戻される、という仕組みになっている。これらの国々での還付の流れは、だいたい次のようになっている。

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