夜の新宿は中国人の「代理爆買い」で沸騰中

留学生がスマホで受注、アリペイで決済

中国人観光客が押し寄せる新宿のドラッグストア
日本を訪れる中国人にとって、銀座が昼の観光のメインスポットであるのに対して、新宿は夜に行く場所のようだ。中国人向けマーケティング会社を経営する徐向東・株式会社中国市場戦略研究所代表とともに、午後8時半過ぎから新宿を歩いてみた。

 

徐向東さん。中国人の消費行動を分析。中国人向けマーケティグの著書があり、講演活動も

夜の買い物の中心は、何と言ってもドラッグストアだ。混雑する店内に入ってみると、中国人が行列をなしていた。

人気を博しているのは、ライオンの足用冷却ジェルシート「休足時間」や資生堂の洗顔料「パーフェクトホイップ」。ほかにも風邪薬や胃腸薬、歯磨き粉まで、さまざまなものが買われていた。

日本の政府観光局によれば、昨年来の大幅な円安に加えて、化粧品や医薬品、食品などが昨年10月1日から消費税の免税対象になったことが、外国人旅行客の“爆買い”を後押ししているという。

SNSを活用し代理購入で手数料を得る留学生

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四川省から来た留学生。「代理購入」を手掛ける

新宿では旅行客だけでなく、留学生の存在感も大きい。四川省出身で日本の大学院に通っているという中国人女性に聞いてみた。彼女はALBION(アルビオン)の高級スキンコンディショナーを買ったという。「これは友だちに頼まれて。中国の友人はALBIONが好きなんです」。

彼女は日本に来て、居酒屋でアルバイトをしながら大学院に通っていたが、1年前から日本製品の「代理購入」を手掛け始めたという。日本のLINEに相当するメッセージングアプリ「微信」(We Chat)を通じて友人やその友だちに、日本の化粧品に関する情報を発信。そして買い物を請け負う。

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SNS「微信」で注文をとる

微信では、「ALBIONのサンプルを試してみます。よかったら買ってさしあげます……」といったメッセージを発している。

オンライン決済サービスの「支付宝」(アリペイ)で入金を確認してから買い物をして本国に送るため、代金を取りはぐれる心配はない。手数料(利益)は商品が1万円未満だと20%前後、1万円を超すと15%くらいだという。

「1カ月の手取り収入は10万円くらい。留学生の8割が代理購入を手掛けている」と語る。代理購入は中国人留学生にとって、日本での生活費を賄うための重要な資金源になっているようだ。

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