夜の新宿は中国人の「代理爆買い」で沸騰中 留学生がスマホで受注、アリペイで決済
徐さんによれば、「中国人の買い物で最も影響力があるのが、信頼できる人の口コミ」だという。その口コミ情報は主に微信によって、猛スピードで友人知人に広がっていく。
微信で日本「神薬」(人気のある大衆薬)ランキングが大ヒットした同じ日に、銀座や新宿のドラッグストアで特定の商品が根こそぎ中国人に買われる現象も起きている。
ドラッグストアで売れている商品に、フェイスマスクの「Lululun」(グライド・エンタープライズ)がある。42枚入りBOXタイプで希望小売価格1500円と、他メーカーのブラント品と比べて割安であることが人気を博し、発売からわずか4年で年商は50億円に達する見込みだという。新宿のドラッグストアの店内でも、「(日本の)ベストコスメ大賞第1位、1億枚突破」のPOP広告が掲げられていた。
キャンペーンを打てば必ず響く
同社は今年4月、徐さんと連携して中国人向けに「店頭でLululunを探せ」と題したキャンペーンを実施した。これは、同商品が店頭に並んでいるところをスマートフォンで撮影して「微博(ウェイボー)」(Twitterに相当する中国のソーシャルメディア)に投稿すると商品がプレゼントされるというもの。約700人の中国人が参加した。
中国人向けの売れ行きは好調で、グライド・エンタープライズの加賀忠聡執行役員によれば「キャンペーンを打てば必ず響く状況。『インバウンド店』と位置付けた外国人が多い店舗での売れ行きは、インバウンド向けのイベントを実施した6月以降、月を追って増え続けている」という。
徐さんの見立てでは、「現在は中国の最先端層の女性たちが買い始めている段階。宣伝の仕方を工夫すればまだまだ売れ行きが伸びる」。前出の加賀さんは、「中国の人も日本の安くてよいものに気づき始めたように思う。私たちが注力していくべき市場だと改めて実感した。今後は今まで以上のスピード感を持って取り組んでいきたい」と意気込む。
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