「健康書2000冊」が導き出した"健康長寿"の結論 医学研究の最前線に躍り出た「注目の臓器」とは

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さらに、理想的な腸内フローラのバランスは、人によって大きく異なることもわかっています。加えて、悪玉菌や日和見菌も含めた腸内環境の多様性こそが、健康維持に重要だという考えが今の主流です。

善玉菌を増やし、悪玉菌を減らせばよい、という単純な話ではなくなっているんですね。

ただし、理想的な腸内フローラのバランスは個人差があるとはいえ、健康長寿の人に共通する特徴があります。それは、ビフィズス菌や酪酸菌など、特定の善玉菌が多いことです。

つまり、これらの健康にいい善玉菌を増やすことが私たちの使命であり、善玉菌を増やすことこそが腸によい食事の正体なのです。

(出所:『結局、何を食べればいいのか?』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

ちなみに、健康にいい働きをしてくれる善玉菌は、年齢を重ねるごとに減ってしまう傾向にあります。ですから放っておけば、善玉菌は減り続け、腸内は悪玉菌ばかりになって、大切な腸内細菌の多様性は失われてしまうのです。

悪玉菌が増え、腸内環境が悪化すると、肌荒れや病気のリスクが高まったり、老化が加速したりする可能性も出てきます。だから、毎日の食事で意識的に善玉菌を増やすことが、本当に大切なのです。

そして、善玉菌を増やすために大切なのは、ズバリ「食物繊維」です。健康で長生きするためにも、腸内環境を整え、善玉菌がイキイキと活躍できる環境を作っていきましょう。

目的は善玉菌に「短鎖脂肪酸」を作ってもらうこと

では、なぜ善玉菌は重要なのか。その正体に迫っていきましょう。

善玉菌は、まるで私たちの体の中で働く、小さな工場のようなものです。この工場では、私たちの健康に欠かせない特別な物質が生み出されています。

その物質の名は「短鎖脂肪酸」。聞き慣れない言葉かもしれませんが、「短鎖脂肪酸」こそ、腸の多彩な働きのカギを握っている重要な物質です。少し、順序が逆になりましたが、大切な短鎖脂肪酸を作り出してくれる代表的な善玉菌の働きを確認しておきましょう。

次ページ短鎖脂肪酸を作り出す「3つの善玉菌」
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