新OSアップデートでガラリ変わる「iPad」の機能 ジョブズが"ボツ"にした「計算機」がついに搭載

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前回の記事(「iPad」久々の新モデル、買い替えるべきか否か)で取り上げたように、iOSは画面のカスタマイズが大きなアップデートの1つ。これは、OSのベースが共通しているiPadOSでも同じだ。ブラウザーのSafariの新機能や、計算機など、ほかにも共通点は多い。一方で、Apple Pencilを生かしたアップデートは、むしろiPadOS向き。先に挙げた計算機も、iPadでは初めて登場したアプリになる。配信を間近に控えた今、一般公開されているパブリックベータ版を元に、新しいiPadOSの注目ポイントを予習していきたい。

ついにiPadに搭載された「計算機」

OSアップデートとともに、iPadOSに新たなアプリが加わる。電卓として使える計算機も、そんなアプリの1つだ。「え、電卓なかったの?」と思われる向きもありそうだが、実は初代iPadから、同シリーズには1回も計算機が搭載されたことはない。登場時から今に至るまで、ずっと搭載し続けてきたiPhoneとは対照的だ。

公に理由は語られていないが、各種メディアでは、iPadを開発した際に、故スティーブ・ジョブズ氏が“ボツ”にしたといわれている。単にiPhoneの計算機を引き延ばしただけで体験が変わらないのは、美しくないというのが主な理由だという。そんな因縁めいたエピソードまである計算機が、iPadOS 18でついに搭載されることになった。

といっても、起動直後の計算機はiPhone向けのそれを単純にiPadの画面サイズに合わせて引き伸ばしただけのように見える。ジョブズが怒りのあまり墓場から出てくる……新機種やアプリのデザインが期待外れだったときにSNSでしばしばつぶやかれるフレーズだが、これだとなぜiPad向けに搭載したかがよくわからない。

Apple Pencilを使ったメモ
Apple Pencilを使えば、数式もスムーズに書ける。大画面とペン対応のiPadに向けた機能といえそうだ(筆者撮影)

一方で、1回ボタンをタップするとiPadの広い画面を生かした機能を呼び出すことができる。他のアプリと同様、計算機にも画面を分割して2行表示する機能があり、左側に計算の履歴を表示しつつ、右側で実際の計算をすることが可能。計算した結果を次の計算に使いたいときなどには、履歴をすぐに参照できて便利だ。

また、iPadOSの計算機にも、「計算メモ」と呼ばれる新機能が搭載されている。メモという名のとおり、これは手書きを認識する。認識した計算式に基づき、自動的にその結果がはじき出される。同じ機能はiOS 18にも搭載されていたが、iPhoneの場合、横幅が短いため、少々式が書きづらかった。横位置で使うことも多いiPad向きの機能といえるだろう。

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