新OSアップデートでガラリ変わる「iPad」の機能 ジョブズが"ボツ"にした「計算機」がついに搭載

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おそらく、周囲の文字を学習し、筆跡を近づけるようにしているのだろう。ただし、残念ながら手書きのペーストやスペルの修正は英語のみ。文字種が圧倒的に多い日本語にいつ対応できるかが未知数なのは不安要素だ。一方で、日本にいても、英文や英単語を使う機会はある。機能を体感するために、まずは英語で使い始めてみるといいだろう。

ホーム画面のカスタマイズ機能も搭載

先に述べたとおり、iPadOSはiOSをベースに開発されたOSで、iPadの画面サイズやApple Pencilなどの機能を加えたものだ。そのため、iOS 18とiPadOS 18では、共通の新機能も多い。計算機の計算メモは、その1つだ。iOS 18の売りである、ホーム画面の自由なカスタマイズもiPadOS 18に対応している。

iOS 18では、iPhone登場以降続いてきた左上から並ぶアイコンの自動整列がなくなり、アイコンをある程度自由に配置できるようになった。位置は整列されるため、完全に自由というわけではないものの、これまで不可能だった画面上部にアイコンを置かず、空白にしておくといったレイアウトも実現できる。

片手で持って親指で画面をタップすることが多いiPhoneとは異なり、iPadでアイコンを画面下部に集中させるメリットは少ないが、壁紙がよく見えるよう、被写体を避けて配置するといったことには使える。パソコンのように、アイコンを画面左右のどちらかに集中させてもいい(ホーム画面はファイルを置けるデスクトップではないので、あまりメリットはないが……)。

アイコン配置の例
アイコン配置の自由度が増し、左上からの自動整列がなくなった。色味を統一することも可能だ(筆者撮影)

また、アイコンの色調をダークモードに合わせて色を変えたり、1色に統一して、画面全体の雰囲気をより落ち着いたものにするといったことも可能だ。アイコンを1色で統一してしまうと、似た図版を用いたアプリの区別がしづらくなるデメリットはあるが、iPadがよりスタイリッシュな印象になる。

ホーム画面のカスタマイズに加え、コントロールセンターもより柔軟にそれぞれのボタンを配置できるようになった。サイズ変更や縦スクロールが取り入れられているため、よく使う機能のボタンを大きくしたり、音楽コントロールを1画面ぶんに広げてより操作しやすくしたりと、ユーザーの用途に合わせた変更が可能になっている。

このようにデザイン面では大きな変更のあるiPadOS 18だが、先に挙げたスマートスクリプトだけでなく、AIを使ったボイスメモの文字起こしなど、一部の機能は英語のみの対応になるのが少々残念だ。AI、特に言語が絡むとどうしても英語が優先になり、他の言語が二の次になる。AIを活用した新機能は待ち望んでいるユーザーも多いだけに、早期の多言語対応がアップルにとっての課題といえそうだ。

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石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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